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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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堂宮大工の世界 ギャラリー・エー・クワッド その1

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「播磨屋本店」を施工した竹中工務店東京本店の1階に、
建築を専門とするギャラリー(ギャラリー・エー・クワッド)があります。
このギャラリーに、尊敬する大工 西岡常一氏の道具が展示されていると聞いて出かけました。(尊敬するもう一人の大工は中村外二。)
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西岡棟梁のように、千年以上前の技術と今の自分の技術を同じ地平で見つめ、その当時の大工と会話し、その当時の木に触れ、解体し、修理し、また組直す。
その彼らの超越した「時間感覚」に感銘します。
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僕なりの解釈ですが、歴史を飛び越える「時間感覚」は、その人の「肩幅」によって、時間間隔のスケール感が変わってくるのではないかということ。西岡棟梁は「法隆寺」をまるで現在の建築であるかのように肩幅の中に納めることができたのではないかと僕は思います。写真は社寺の墨付をするための原寸型板です。
by y-hikage | 2010-07-31 19:27 | 建築巡礼 | Comments(0)

播磨屋本店円山店 現代の民家をたずねました。その1。

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前回まで、北播磨の蔵の丸窓、多可町の風景、北播磨の民家のかたち、岩座神の棚田について報告してきましたが、今回は北播磨地域の西隣の朝来市生野町の新築の民家を紹介いたします。「播磨屋本店」は築23年の新築の民家です。先日「北播磨の家」の竣工写真を撮影した後に、その建主である今中さんのご家族に連れて行っていただきました。「播磨屋本店」は日本で有名とされる煎餅屋さんです
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以前に新築の民家を勉強するために(「高柳町かやぶきの家」の設計のために)、「播磨屋本店」の建築過程の本を読んだことがありました。その建築に今回、出会えるとは思ってもみませんでした。
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施工は竹中工務店です。新築でありながら古来の技法に習い、本格的に民家を造り上げています。
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驚くべきことに築23年経過しながらも材木に狂いがほとんど見られないことでした。
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今中さんのお母さんは、築100年以上経過した古い民家だと以前から思っていたそうです。新築でありながら古い民家だと思わせる技術。見習わなくてはなりません。
by y-hikage | 2010-07-29 22:25 | 建築巡礼 | Comments(0)

北播磨 多可町の風景 岩座神の棚田(いさりがみのたなだ)

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兵庫県の多可町には「岩座神の棚田(いさりがみのたなだ)があります。標高280mから430mの傾斜地を石垣の畦によって築かれています。石垣はその場所で採れた石で積まれているため建物と同様に地域色が強く表れます。この棚田の中には茅葺の民家が点在し日本的な風景が残されている貴重な場所です。
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兵庫県の農村部では初めて「景観形成地区」に指定され、農林水産省選定の「日本の棚田百選」に認定された地域です。
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棚田は山の斜面に石垣等で田んぼを作り、雨や雪解け水で農業を昔から営んできた場所です。雨水を一時的に溜める棚田は洪水や地滑りを防ぐ働き、また水を浄化する働きがあります。そしてまた棚田には虫や魚や小鳥たちが生息するのに適した条件が整っています。
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このように棚田は景観だけでなく多面的機能をもった優れた「人の手によってつくられたかたち」のです。
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遠くに小さな丸い窓をもつ蔵が見えます。
by y-hikage | 2010-07-28 21:42 | 建築巡礼 | Comments(0)

北播磨 多可町の風景

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「北播磨の家」が完成し、竣工写真の撮影を終え、建主の今中信一さんと多可町を散策しました。「北播磨」という地域は兵庫県の多可町、西脇市、河東市、加西市、小野市、三木市からなります。いぶし瓦、杉板、漆喰と土壁が特徴的です。
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多可町の南端のあたり、加西市との町境の町並み。というか路地。
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版築による土塀。ちょっとした仕事に伝統が息づいている。
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北播磨地域の西脇市は播州織で有名な地域。播州織は1792年に京都の西陣から技術を導入してから始められました。ちなみに現在放映されている大河ドラマ「龍馬伝」の坂本が羽織っている衣装は播州織で織られております。西脇市周辺にも織物工場がポツポツと建っています。機能から生まれた屋根のかたち。南からの光を遮り、北側からの光を取り入れるかたち。
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楊柳寺の鐘楼。真夏の暑い日差しを涼やかに遮ってくれています。
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この地域の典型的な民家のかたち。茅葺を鉄板で覆っていますが、きちんと屋根のかたちを生かしています。
by y-hikage | 2010-07-27 14:38 | 建築巡礼 | Comments(0)

北播磨 多可町の風景 民家のかたち

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岩座神の棚田の中の茅葺の民家。
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民家の素晴らしさのひとつに「人の手によるもの」でありながら風景と調和していることではないかと思います。
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田んぼ、石垣、瓦、茅葺の屋根、そして民家の地域性を示す棟のかたち。ただ漠然とデザインしているわけではなく、必然性から生まれた意匠。
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兵庫県の茅葺の民家は総じて軒が極めて低いのが特徴です。閉鎖的な空間といってもいいでしょう。
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兵庫県に日本一古い茅葺の民家が復元され残っています。「箱木千年家」という農家ですが、この民家も。「箱木千年家」に似ています。(いずれ「箱木千年家」の報告はいたします。)
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岩座神の棚田で見つけた神社。現代の木造住宅で思わず引用したくなるモダンなデザイン。
by y-hikage | 2010-07-27 14:38 | 建築巡礼 | Comments(0)

北播磨の蔵の開口部は小さくて丸い。その2。

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北播磨の蔵の窓がなぜ丸いのか推測できません。この丸窓は常時開いています。蔵は貴重品を収納する倉庫。であるから、近隣の火災から防御するために川越の蔵のように厳重な観音扉のような工夫があっていいはずですが、北播磨にはそれがない。それは火災を心配するほど家と家が密集していないことによるものなのか?
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東北でも
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関東でも見たことがない蔵の丸い穴。
by y-hikage | 2010-07-23 20:17 | 建築巡礼 | Comments(0)

北播磨の蔵の開口部は小さくて丸い。その1。

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「北播磨の家」が完成しました。「北播磨」は「兵庫県北播磨県民局商工労政課」の観光資料によると「北播磨」とよばれる地域は兵庫県の多可町、西脇市、加東市、加西市、小野市、三木市の六地域です。「北播磨の家」は多可町にあります。
家の設計中、あるいは工事中に建主の「今中信一さん(イラストレーター(http://www.flickr.com/photos/imashin/)」に周辺の特徴ある風景を案内していただきました。
岩手県に生まれた僕は、この播州地方がとても、いや、かなり新鮮な場所でした。まず地形がちがいます。山がポコポコしているのです。平地がきちんとありながら、いきなり山がポコッとはじまるのです。あと水が豊富。水がどこからともなく湧き出ている印象。それは奈良でも感じました。
他にいろいろあるのですがここでは蔵の窓を紹介します。蔵の窓が丸くて小さいのです。
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蔵のプロポーションは母屋とのバランスから決定されているようです。その結果、妙なバランスの美しい立面図が発生しています。
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腰壁は例外なく杉板の縦張りです。杉板は西の地域では外壁に積極的に使用されています。その使い方がしなやかで繊細です。関東のほうではなぜこのように杉を繊細に使用できないのでしょうか。30年後の風情を見越して。
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小さな丸窓が腰壁に唐突に開けられています。不思議な意匠です。
by y-hikage | 2010-07-23 19:41 | 建築巡礼 | Comments(0)

「北鎌倉の家」の建主から美しいやまゆりが届きました。

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「北鎌倉の家」の建主から手紙に添えられた美しいやまゆりが届きました。手紙には「天然の空調設備の中にいるようで、心地よく過ごせます。」と書かれておりました。鎌倉の山を背負い、田んぼに隣接し、円覚寺の山並みが遠くに見渡すことができる環境。周辺の自然環境は、先端の設備や技術を必要としないぐらい気持ちいいのでしょう。頂戴した美しいやまゆりを日日日影新聞の紙面に飾ります。深い青い陰影にすくっとやまゆりはたっています。
by y-hikage | 2010-07-20 21:05 | 北鎌倉の家 | Comments(1)

日影良孝建築アトリエ展示室に「日影良孝の建築巡礼」が加わりました。

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日日日影新聞のブログリンクの「日影良孝建築アトリエ展示室」に「日影良孝の建築巡礼」が加わりました。この建物は、吉村順三設計の八ヶ岳高原音楽堂です。
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この美しい屋根に魅せられ、外に開かれたホールの安らかな空間に包まれたことを思い出しました。
by y-hikage | 2010-07-18 10:13 | Comments(0)

大正12年建築の民家の実測。

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大正12年に建築された都内の瓦葺の民家。現地で改修するための準備作業として先日実測調査を行いました。
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間取り、天井の意匠、展開、断面詳細、小屋裏の構造など二日間作業を行いました。
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正面はほぼ原型のままでしたが、北側は痛みがひどく全面的に手直しが必要です。
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その北側の現状を実測している様子。
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小屋裏の構造を実測調査している日影さん。日影さんは暑いさなか一日中屋根裏の中です。
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日影さんが現場で描いた実測野帳の一部。広縁の断面詳細は縮尺十分の一で描かれ、小屋裏の断面は縮尺三十分の一で描かれています。次回の実測は、今回の実測野帖を机の上で一度整理したあとに、再調査する予定です。
by y-hikage | 2010-07-16 09:39 | 民家の調査 | Comments(0)