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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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カテゴリ:お茶のお稽古( 19 )

お茶のお稽古のさいちゅうに棗を落としました!

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今週・317日の火曜日、

12回目のお茶のお稽古がありました。


このお稽古のさいちゅうに

僕はお茶を入れる棗(なつめ)を

畳の上に落とし、

畳の上をお茶の粉末で、

だいたんに広くまぶしてしまいました。


茶道の映画「日日是好日」で、

お稽古のさいちゅうに

水指をもちながら後ろにひっくり返り

水をかぶる場面がありました。

僕はその場面を観て、

心のなかでクスッと笑いました

(映画を観たのは

お茶のお稽古を始める前・・・)。


そう・・・


水指ごと後ろにひっくり返るなど、

棗を畳に落とすことに比べたら、

まだかわいいものでした・・・。



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12回目のお茶のお稽古は、

「薄茶平手前」のお稽古でした。


まず水屋からお菓子を運び出し、

次に水指を運び出し、


次にお茶碗を左手に持ち

棗を右手に持ちながら運び出し、

炉の脇に立った時、

一瞬右手が軽くなったと思って、

下を見たら、

棗が炉の脇に転がり、

お茶の粉末が

畳の上にざざぁーと広がっていました。

お茶室の中は騒然!!

掃除機で丁寧にお茶の粉を吸い取り、

大ごとにならなかったものの、

僕の頭の中は

真っ白(お茶の色?)になっていました。


気をとりなおして、

「薄茶平手前」のお稽古を再開し

無事最後までお稽古をすることができました。


きっと

畳に落ちた棗と

ざざぁーと広がったお茶の粉末の映像は、

一生忘れることがないと思います。



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ふきのとうがお茶室にかざってありました・・・。



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写真の棗と茶杓は日影アトリエにあるもの・・・。


畳の上に落とした棗は黒塗りのものでした・・・。


映画「日日是好日」の中で


水指ごと後ろにひっくり返る場面を


観ることができます。⇒




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by y-hikage | 2020-03-19 11:48 | お茶のお稽古 | Comments(0)

11回目のお茶のお稽古


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今週の火曜日(218日)は、

11回目のお茶のお稽古がありました。

今までのお稽古は

盆略手前が中心でしたが、

今回は薄茶平手前のお稽古でした。

柄杓を使ってのお稽古ははじめて・・・。

先生の丁寧なご指導にそって

見よう見まねで

お点前をすることができました。

( いまだに全ての流れが

見よう見まねですが・・・ )


客のお稽古は、

逆勝手の濃茶と薄茶の場合を経験できました。

毎回、

ちがうことを知るよろこび

とでも言うのでしょうか・・・。

お茶の奥の深さを感じます。


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床の間には

ふきのとうが飾られました。


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本堂に付属する土蔵の前には

豊かな梅の花が咲いていました。


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by y-hikage | 2020-02-20 18:22 | お茶のお稽古 | Comments(0)

新しい帛紗(ふくさ)を買いました。

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お茶のお稽古をはじめたのは昨年の四月・・・。

新しい年を迎えたので

新しい帛紗(ふくさ)を買いました。

新しい帛紗を買ったわけは、

一枚目の帛紗が

縮んでヨレヨレになったからです。

縮んだ理由は水で洗ったからでした。

水で洗っただけではありません。

製図室にアイロンがなかったので、

折り目をつけるために水で湿らせ、

本を重しにしたりしたからでした。


帛紗を水で洗ったら縮んでしまいました

・・・と

先生に相談したら、

帛紗は洗ってはいけませんと言われました。


お茶のお稽古の最初は

帛紗のたたみ方から教わりました。

最初の頃は帛紗の意味がわかりませんでした。

ましてや帛紗さばきを

何のためにするのかもわかりませんでした。

ものを知らないことは、

時に

まとはずれな思い込みをするものです。

僕は帛紗の意味を知らないことで

帛紗を雑にあつかっていたことを

徐々に知っていきました。

帛紗は茶道具や空間を

清めるもので

神聖なものであるということを・・・。


茶道辞典(淡交社刊)に

帛紗の意味をこう書いています・・・。


帛紗

帛紗(ふくさ)古くは帛紗物といい、茶道具を拭い清め、器物拝見の際、その下に敷くのに用いる。

紹鴎時代から帛紗はあり、綾地で寸法も種々あったものを、利休が小田原出陣の際、妻宗恩が棗を包んで送った帛紗の寸法を一定とした。

30㎝角の三方を縫って一方をわさにしてある。

布地は利休の弟子塩瀬宗味の工夫により用いるようになった塩瀬をはじめ、羽二重・斜子・名物裂など。

専門仕立職人として千家十職の一家土田友湖が有名。


帛紗さばき

茶器を清めるために帛紗を折りたたむ所作をいう。

真・行・草のさばき方があり、器物の扱いによってさばき分ける。




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上が古い帛紗・・・。

下が新しい帛紗・・・。


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ところで昨年、

製図室の近くの骨董屋さんで

貴重な帛紗をみつけたので買いました

「寿 今日庵」と書かれた箱。

この「今日庵」という文字に

目を奪われました。

箱の中の帛紗は

素人の僕が見ても触っても

上等なものだとわかりました。

ただし寸法が小さく女性用のものでした。


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「寿 今日庵」と書かれた

箱の中に入っていた帛紗。


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茶道辞典は

お茶のお稽古を

はじめるずっと前に買った本です。

なぜ茶道辞典の本があるかというと、

茶室の設計の参考にするためでした。

茶室をはじめとする

数寄屋建築に興味があるため

茶室の本は山のようにもっています。

茶道辞典はその中の一冊でした・・・。

この本がお稽古の役にたつなど、

以前は思ってもいませんでした。


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by y-hikage | 2020-01-22 15:33 | お茶のお稽古 | Comments(0)

10回目のお茶のお稽古


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昨日、お茶のお稽古がありました。

初釜もお稽古のうちにいれると

10回目のお稽古になります。

午前中に、濃茶での客のお稽古があり、

午後は新年会となりました。

途中、

本堂でご住職にお経を読んでいただきました。


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床の間に飾られた

巨大なみかん「晩白柚(ばんぺいゆ)」


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濃茶のかわいいお菓子


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新年会の主役は

手作りの参鶏湯(サムゲタン)でした。

はじめて食べたサムゲタン・・・、

とてもおいしかったです。


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本堂の床飾り

書は誠拙周樗によるもの。

誠拙周樗(せいせつ しゅうちょ、延享2年(1745- 文政3年(1820))は、江戸時代中期から後期にかけての臨済宗。無用道人と号し、諡号は大用国師。 鎌倉円覚寺仏日庵の東山周朝に師事してその法を継ぎ、1783天明3年)円覚寺前堂首座に就任した。晩年は京都相国寺に移っている・・・

と資料に書かれています。


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本堂には

仏手柑(ブッシュカン)が飾られていました。


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お経のあとにご住職から

お守りと絵馬をいただきました。

絵馬は、

画家の山下まゆみ氏が描いたネズミの絵。

今年はネズミ年・・・。

時がたつのははやく

もうじき1月も終わります・・・。



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by y-hikage | 2020-01-22 14:07 | お茶のお稽古 | Comments(0)

初釜でお茶碗が当たりました。

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15日の初釜では

お食事がすんだあとにくじ引きがありました。

お盆にうえに

先生からの贈り物である

扇子とくじが人数分のせられ、

生徒さんたちが扇子とくじを手に取り

手渡しで隣にまわしていきました。

ほぼ最後の順番で僕も同じように

扇子を手にとりくじを選びました。


くじを広げてみたら「1」と書いてありました。

一番いいお品を示すものでした。

その一番のお品は「お茶碗」でした。


僕のような初心者がはじめての初釜で

お茶碗をいただいて

いいのだろうかと思い、

恐縮する気持ちでいっぱいになりながら

ありがたく頂戴いたしました。


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くじ引きの「 1 」


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先生からの贈り物である

扇子とくじ引きで当たったお茶碗


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説明書きにお茶碗の名前は

「 太公望 」と書かれてありました。

先生がこのお茶碗を選ばれた理由は確か、

令和二年の歌会始のお題が

「望(のぞみ)」であったからと

話していたように思います。


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太公望(呂尚・りょしょう)は、

紀元前十一世紀頃の古代、

周の軍師、斉国の始祖です。

ある日、周の文王が狩猟に出ると、

黄河の支流のひとつである

渭水(いすい)のほとりで

釣りをしている呂尚に出会いました。

二人は語り合い、文王は

「吾が太公が待ち望んでいた人物である」

と喜びました。

呂尚は文王に軍師として迎えられ、

太公望と称しました。

呂尚は文王を助け

殷(いん)を滅ぼし

周王朝の成立に貢献しました。


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「太公望 茶碗」は

宮内庁「詠進歌」令和二年歌会始のお題

「 望 」をテーマに造られたお茶碗です。

美濃いちい窯・横井清秀氏によるものです。


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はじめての初釜・・・。

とても縁起のいい令和二年の初釜となりました。



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by y-hikage | 2020-01-11 10:08 | お茶のお稽古 | Comments(0)

初釜のこと その二

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15日の初釜は

午前10時半ぐらいからはじまりました。

15人ぐらいの生徒さんたちが

八畳の茶室と広縁にびっしりと座りました。


最初は先生による初炭の炭手前。

次に主菓子をいただき、

先生のお点前による濃茶をいただきました。

濃茶の次はゆっくりとしたお食事・・・。

お食事が終わって一息ついたころに、

くじ引きがはじまりました。

くじ引きがあるなんて、

想像もしませんでした。

そして最後に薄茶をいただきました。

この薄茶のお点前は、

参加している生徒さんが

一人一人順番にお点前をして

お茶を点てるという仕組みでした・・・。

順番が回ってこないことを祈りましたが、

全員が必ずお点前をするということなので、

ほぼ最後の順番で

お点前がまわってきました。

生徒さんの中で

まちがいなく僕は初心者・・・。

(それでももう9か月がすぎました)

みなさんの笑顔とご指導のもとで

無事お茶を点てることができました。


お茶のお稽古は、

先生に見守られつつ指摘を受けながら、

お点前の練習をしていきます。

その間は、当然メモなどとれるわけはなく、

ひたすら耳で聞いたことを

手や体の動きに反映することで

覚えていくしかありません・・・。

でなければ、

他の生徒さんのお点前を

見て覚えるしかありません・・・。

この「見て覚える」ことがとても勉強になります。

今回の初釜では、

ベテランの生徒さんのお点前を

たくさん見ることができました。

「綺麗なお点前」にほれぼれするし、

ひとりひとりのお点前のかたち(動き)が

微妙にちがうところも

見逃すことはできませんでした。


お点前は、その人の個性がでるんだ・・。

今回の初釜でそのことを学びました。



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床の間の正月飾り


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及台子に置かれた銀色の茶道具


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お食事


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薄茶のときのお菓子と金色のお盆


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銀色の蓋置と漆塗りの炉縁

お釜の蓋の丸いつまみも銀


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生徒さんたちが順番に薄茶を点てています。

このやりかたの名前を忘れました。

お茶のお稽古の様子を

記事にすることの難しさはここにあります。

すべてに意味があり

そのすべてに呼び名があるように思います。

(・・・建築と同じです・・・)

よって軽々しく文字にできない

もどかしさを感じます。

表面的な学びはすぐにはがれるので、

じっくりと時間を

かけていくしか方法はありません。



などと難しいことを書いていますが、

単純にお茶のお稽古は楽しいのです・・(笑)。



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by y-hikage | 2020-01-10 11:28 | お茶のお稽古 | Comments(0)

初釜のこと その一

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お茶の世界に導いてくれた本、

「日日是好日(森下典子著)」の

第四章に「初釜」という項があります。

この項を読み、

「初釜」の場面を想像したとき、

冬の冷たい新鮮な空気が

身体をすうーっと

抜けていったことを忘れることができません。


だから2020年に年が明けた

15日の初釜はとても楽しみでした。

年末ぎりぎりに

階段で転んで口の中と足に怪我をしたので、

はじめての初釜の参加を

前日まであきらめかけていたのですが、

参加して本当によかったと思いました。


今日、この記事を書くためにあらためて

「日日是好日」の中の

「初釜」の項を「先生のおじぎ」まで

通しで読んでみました。

15日に参加させていただいた初釜の場面と

ちがうところはたくさんありますが、

最初に読んだときの文章が、

より現実的な映像に

育っていることが自分でもわかりました。


そのまま読んでみます・・・。


  • ※ ※ ※ ※


初釜は、年明けの「稽古始め」だが、実際にはふだんのようなお点前の稽古はない。生徒全員で先生と新年のご挨拶をし、おせち料理をごちそうになり、それから先生のお点前でお茶をいただく。つまり、新年の始業式である。


私とミチコは初めて着物を着て、昼前にそろって先生の家に行った。いつものように「こんにちは」と玄関を開けると、中はしーんと静まりかえっていた。水を打ったたたきに、草履がずらっとならんでいた。


水曜日にお稽古している五人の奥さんたちは、もうそろっていた。ひそひそと声がして、青磁色の着物に金茶の帯をしめた中年の女性が、こちらをのぞいて会釈した。ふだんとはちがう、そのフォーマルな雰囲気に、学生の私たちは思わず固くなった。


初釜の稽古場は、おろしたてのシーツのようにすがすがしく、晴れやかだった。床の間の柱には、真っ青な竹の花入れが掛かっていて、紅白二輪の椿のつぼみが生けられ、大きく輪に結んだ長い柳の枝が大胆にしだれていた。掛け軸には、「鶴舞」とか「千年」という文字が見えた。床の間の真ん中に白木の台が置かれ、黄金色の小さな米俵が三つ積んであった。


(これが、「日本の正月」というものか・・・)


お点前をするいつもの場所に目をやった。そこに飾られた茶道具に、私は思わず目を奪われた。


二本柱のすっきりした大棚。冬の清らかな白い光の中で、艶やかに光る黒塗りの棗や炉縁の金の蒔絵。


(漆の黒って、なんて大人っぽいのだろう)


乳白色の水指に描かれたトルコブルーの鶴。


火箸の頭についた小さな松笠の飾り・・・。


「伝統」とは古くさいものだと思いこんでいたが、そうではなかった。本物の伝統は、モダンで斬新だったのだ。私はその時、「ジャポニズム」にあこがれた百年前のフランス人の「目」になって日本という「異国」を見ていた。


武田先生は裾模様のある淡いクリーム色の一つ紋をゆったりと着て、畳に両手をついていた。


「みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。この一年も、一生懸命ご精進くださいね」


私たちは扇子を前に、


「今年もよろしくご指導ください」


と、口々に言って、全員で顔を上げる。挨拶が終わると先生は、


「さあ、それじゃ、私がお点前します。ちゃんと見ててくださいね、私も間違えるんですから。ふだん、皆さんに注意してるけど、自分は口ばかりで、できないんですよ」


笑いが起こり、座の空気がふっとなごんだ。先生は水屋へ消えた。



生徒七人が、静かに、先生の登場を待っていた。


先生が初釜で披露するのは「濃茶点前」である。「薄茶」をカプチーノとするなら、「濃茶」はエスプレッソのようなもので、抹茶の種類も異なるし、お点前も上級になる。薄茶は一人一碗ずつ点てるが、濃茶は数人分を一碗にまとめて練り、みんなで少しづつ飲み回すものだ。


障子が開いた。


先生は両手を膝の前にそろえて置き、私たち生徒をちゃんと見て、自然にすうーっと頭を下げ、一瞬止まったと思うと、おもむろに頭を上げた。


それだけだった。なのに胸を突かれた。


鳥がほんの一瞬、きゅっと小さく身をすぼめたと思うと、ふわりと元に戻る仕草をする。それに似ていた。


先生は今、私たちに「敬意」を表した。謹み深く、謙虚に、それでいて卑屈さがなかった。


おじぎは、ただ「頭を下げる」ことではなかった。頭を下げるというシンプルな動きに、あらゆるものが含まれていた。「形」そのものが「心」だった。いや、「心」が「形」になっていた。


(このことか・・・)


それまで、何度も武田先生のおじぎを見てきたけれど、その時初めて、母の言った「おじぎがちがう」という意味がわかった。



「日日是好日(森下典子著)」


第四章「初釜」~「先生のおじぎ」から



  • ※ ※ ※ ※

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by y-hikage | 2020-01-09 11:58 | お茶のお稽古 | Comments(0)

日影さんの今年の漢字は「お茶」

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日影さんの今年の漢字はなんですか?

と聞かれたらやっぱり

「 お茶 」です。

と答えるような気がします。

それだけ今年の四月に

お茶のお稽古に出会えたこと

人生の中で大きなできごとでした。


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by y-hikage | 2019-12-30 14:46 | お茶のお稽古 | Comments(0)

鎌倉の覚園寺でのお茶会

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1215日の日曜日、

鎌倉の覚園寺でお茶会がありました。

主催はお茶のお稽古の先生である西畑先生。

お茶会のタイトルは

「すみれ会 初冬のお茶会

~親子で楽しむお茶会と書道・華道展~」

お子さまや初めての方、

どなたでも気軽に楽しめるお茶会でした。


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僕は、水屋のお手伝いと

板の間に切られた囲炉裏の炭を担当しました。

100人近いお客様をお迎えする

お茶会のお手伝いは当然はじめてのこと・・・。

裏方の水屋のお手伝いは大忙しでした・・・。

それでもなにごとも経験が大切。

朝から夕方まで

楽しく充実した時間を楽しめました。


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板の間には書道の作品が展示され、

土間空間にはいけ花が飾られました。


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お茶会がおこなわれたのは、

覚園寺の境内に建つ

「旧内海家住宅」という茅葺民家でした。

「 旧内海家 」は

もともと鎌倉市手広に建っていた民家です。

1706年(宝永3年)の建立で、

1981年に覚園寺境内に移築されました。

板敷の広間を2室に区切り、

その奥に座敷2室を設けた

四間取り型の平面としています。

この形式は、広間の機能が分化する

江戸時代後期に増える平面で

内海家はその早い例です。

開口部が多く開放的な点も先駆的な民家です。


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板の間に切られた囲炉裏。

囲炉裏の縁は普通、

木でつくられますが

漆喰に塗り固めた囲炉裏縁は

はじめて見たような気がします。


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掛け軸が掛けられた床の間。

正確にはこの床の間は

「押板」とよばれ

近世の床の間の原型です。

現在の床の間の古い姿です。


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床の間に掛けられた

掛け軸の絵と書は、

小島寅雄という人の作品で、

元鎌倉市長を務めた方です。


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子どもさんのお点前・・・。

美しいお点前に感激しました。


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お菓子はお茶の楽しみのひとつ・・・。


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お茶会の日は天気も良く、

紅葉がみごとでした。


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お茶のお稽古をはじめて9か月たちました。

その間にいろいろなことを経験し

学ぶことができました。

あたらしい発見の連続です。


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お茶会の帰りにいただいたお菓子。

製図室でいただきました。

お菓子の絵はクリスマスツリー・・・。




後日、「旧内海家住宅」の

解体保存修理報告書を探しに

鎌倉市立図書館に探しに行きましたが、

残念ながらありませんでした。

残念でした。



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by y-hikage | 2019-12-25 10:47 | お茶のお稽古 | Comments(0)

8回目のお茶のお稽古

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1119日は

8回目のお茶のお稽古でした。


お茶のお稽古は

今年の四月からはじめたので、

8か月たちました。


十一月から風炉から炉にかわりました。

風炉の季節は五月から十月で

敷板の上に風炉をおいて釜をかけます。

茶の湯はもともと、

風炉からはじまったといわれていますが、

炉は囲炉裏からとり入れられたとされています。


炉の季節は十一月から四月まで・・・。

この炉の季節は

囲炉裏の中の炭と釜の中のお湯で、

室内を暖めてくれる役目もあるそうです。


十一月は「 炉開き 」の茶会が

開かれるのがならわしのようで、

1119日は「炉開き」が午前中ありました。

ご住職による法要があり、

そのあと先生のお点前でお茶をいただき、

昼にお弁当をいただきました。

午後は炉のお稽古でした。

来年の四月まで炉のお稽古が続きます。

今年の四月からのお稽古は

なにもかもはじめてのことだったのですが、

来年の四月までも

なにもかもはじめてのことが続きます・・・。

楽しみです・・・。


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おいしかったお弁当・・・。

日本酒も

少しですが

いただきました。


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本堂の床の間に、

原三渓の絵が掛けられていました。

原三渓(原富太郎18681939)は

横浜本牧に三渓園をつくり、

名建築を移築した人物です。

美術品の収集や茶人としても知られています。

絵を描くことも好きだったようで、

この絵を見ると、

趣味の域を

はるかに超えているように思えました。

白い鳩の絵の「白」は、

画家・藤田嗣治(18861969)の

「白」を感じました。

同時代性ゆえなのでしょうか・・・。


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お茶のお稽古は

朝の9時半ぐらいからはじまります。

その少し前に円覚寺の境内を散歩します。


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仏殿の宝冠釈迦如来坐像


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仏殿の左奥に安置されている

無学祖元禅師坐像(右)と

達磨大師坐像(左)


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円覚寺は1282年、

鎌倉幕府8代執権の北条時宗が、

文永・弘安の2度にわたる元寇による

両国の戦没者を弔うために、

宋僧の無学祖元を

開山に迎えて創建されたお寺です。


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選仏場の大慈大悲観世音菩薩像

円覚寺の中でも好きな仏像です。


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1215日に

お茶の先生が主催するお茶会が

鎌倉の覚園寺であります。

どなたでも参加できるとのことです。

僕はたぶん裏方でお手伝いしています。

案内役とか・・・・


覚園寺を

じっくり見学できるいい機会でもあります・・・。




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by y-hikage | 2019-11-26 11:59 | お茶のお稽古 | Comments(0)