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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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カテゴリ:タブの木のある家( 45 )

木造住宅の改修・「タブの木のある家」の工事風景

「タブの木のある家」を日影アトリエのホームページに掲載することができましたが、

設計内容や工事内容をお伝えするためには、まだまだ不十分な内容です。

そこで「日日日影新聞」でも「タブの木のある家」を振り返ってみることにいたします。

たしか「タブの木のある家」の現場が始まったのは、東日本大震災直前の2月終わり頃のことでしたから、

およそ一年半前ということになります。

2011年3月11日以後から、宮城を行ったり来たりすることになったために、

この「タブの木の家」の振り返りは、僕にとってもいい機会かもしれません。

まずは、以前にも紹介しましたが、工事風景をもう一度思い出してみようかと思います。
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既存の内部の解体工事が進行している様子です。

2階の天井もはがされ小屋組みが現れています。

水平に架けられている小屋梁は、米松です。

建て主のご主人はこの梁の素材感と組み方がどうしても気に入りません。

ご主人の強い希望で、新しい赤松の梁に架け替えられることになります。梁の架け替えは、簡単なことではありません。

屋根を一旦撤去する必要があるのです。
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改修前は、1階が納戸だった天井を撤去し、2階の床を抜きました。

1階は、改修後は、納戸が茶の間にかわり、吹き抜けを通して2階の居間と空間を連続します。
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基本的な構造の軸線は変更しておりませんが、新しい基礎を加える部分も若干ありました。

玄関ポーチの布基礎の連続。南側増築部分の基礎の新設。内部の基礎の補強などです。

当然のことですが、日影アトリエによる配筋検査を行いました。改修といえども新築と同様に大切な設計監理の過程です。
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全てではありませんが外壁がはがされました。

小屋梁の撤去新設のために、屋根が全面撤去され、家が文字通り、「空と一体」となりました。

この様子を見たご主人のすがすがしい表情を忘れることはできません。
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吹き抜け部と増築部の軸組も撤去新設され構造補強をおこないました。
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屋根のガラ廃材が撤去されきれいな現場になっています。
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2階の中まわりの柱は、桜などの広葉樹に変えられ、赤松の梁が架けられています。
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屋根下地の野地板が張られました。

耐震性を向上させるために、斜めに張っています。

野地板の上には通気層を設け、夏の暑さ対策も考慮しています。

簡単ですが、工事の過程を振り返ってみました。

次回からは、竣工した様子を、詳細に振り返ってみることにします。
by y-hikage | 2012-09-04 10:14 | タブの木のある家 | Comments(0)

44・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の工事風景

木造住宅の改修・「タブの木のある家」の連載を再開します。
今回の記事は、以前の記事と重複しますが、工事風景を簡単におさらいしてみます。
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2階の室内の主だった内装材の解体が完了したところです。
ここで見える柱や梁、さらに上の屋根が全て撤去され組みなおされます。
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南側の吹く抜けとなる部分の床が撤去されました。
1階が茶の間となる部屋から見上げます。
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当然のことですが、改修と言えども、構造計算が行われています(構造計算は、山辺構造設計事務所)。
新たに造る基礎の配筋検査をおこなっています。
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屋根の小屋組みが撤去され見事に空が見えています。
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屋根のガラを清掃した風景。
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南側の吹き抜け部分の構造を補強するために、柱と梁をやりかえています。
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新しい小屋梁(赤松)が組まれていきます。
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屋根の水平剛性を持たせるために、杉板の野地板を斜めに張っています。

以上、簡単ですが、工事風景を紹介しました。

次回からは、竣工した様子を連載いたします。

竣工写真が30枚以上ありますので、長い連載になると思います。

途中で、他の記事も、間に入れていこうと考えています。
by y-hikage | 2012-07-06 18:39 | タブの木のある家 | Comments(0)

43・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の検討模型 その2

「タブノキのある家」の模型その2です。
この模型を製作した目的は、改修後の室内の様子を建て主夫婦のご理解していただくため。
特に2階は、屋根を全面的に撤去し小屋組みを外して、赤丸の梁を架け替えるという、大がかりの工事となるため、その空間の変貌を、工事前に建て主・設計者・施工者で共有しておきたかったのです。
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北側からの俯瞰です。
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屋根を外して北側から俯瞰します。タイコ梁に加工した赤松の梁が組まれているのがわかります。
2階は、手前が和室として区切られていましたが間仕切りを撤去してひとつの空間としました。
手前右側が台所で、左手が、既存バルコニーを洗面と便所にした部分です。
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さらに2階床を外して1階を北側から俯瞰します。
手前右の畳の間は寝室です。
手前左手は玄関の庇になります。南側は1階が半間の増築、2階が一間半の増築で、総2階建になりました。
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南側を俯瞰します。
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屋根を外します。南側は1階が半間の増築、2階が一間半の増築で、総2階建になりました。
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2階床を外して南側から俯瞰します。
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南側の壁を外して、室内を見上げます。
手前左手は客間。手前右は、茶の間で、吹き抜けとして2階の空間と連続させました。
2階に赤松の小屋組みが見えます。途中で梁が切れているのは、模型の製作上の都合で、実際は、左右の軒桁まで架かっています。当然ですが・・・。
by y-hikage | 2012-06-29 09:26 | タブの木のある家 | Comments(0)

42・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の検討模型 その1

「タブの木のある家」は、改修工事なので大きく外観を変えることありませんでした。外観だけではなく、基本的な構造の架構は変更していません。

しかしながら現況と改修後の空間の変化を建て主に説明するためには、今回は特に模型が必要でした。
2次元のスケッチでは、空間の流動性や動きながらの微妙な視野からの意匠を説明することはできません。
よって、作業的に無理のない範囲で内観模型を作ることにしました(実は、ほとんどの設計で作っているのですが・・・)。

今回の記事では、外観のみの模型写真を紹介します。
これらの模型写真で注目していただきたいのは、一枚目から三枚目の模型です。
北側の屋根の軒桁が現況よりも下がっています(前回の既存の状態を説明している連載記事参照)。

実は工事着工後すぐに、北側斜線制限に違反していることが、わかり急きょ設計変更をおこなった結果が模型に表れています。
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もうひとつ、玄関まわりの意匠で大きく変えたところがあります。
以前になかった玄関ポーチの深い庇です。
改修のコンセプトである日本的な空間。
その導入口である玄関には、水平線が印象的な軽やかな深い庇がふさわしいと思いました。
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模型上で作る軒が深い庇は簡単ですが、現場の大工さんは大変です。
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模型では、敷地全体が俯瞰できますが、現場で外観が見えるところは玄関前の一部です。袋小路の突き当りに見える深い屋根。が、この家の大切な場面として考えました。
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最後の模型写真は、南側の増築後の形です。内部空間を優先した改修が外部に表れたかたちです。
by y-hikage | 2012-06-26 22:51 | タブの木のある家 | Comments(0)

41・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の現況についての最終アラカルト。

これまで6月23日から8回に分けて「タブの木のある家」の現況と改修方針を説明させて頂きましたが、今回は現況説明の最終回です。

1993年に建築された、およそ築20年の木造住宅。一般的に見て、傷みもほとんどなく、まだまだこのままで住める状態なのに、どうして改修するのか。という疑問が最初にありました。
還暦を過ぎたばかりのご主人は、この家になんとなく不満を感じながら生活してきたように感じられました。
これから家に居ることが多くなるにつれて(と言っても、今でも、西欧や日本中を飛び回ってますが・・)、様々な一流な文化を経験しながら、本物の家に住みたいという思いが強くなってきたのではないかと思いました。

そして僕は、ご主人の根底に流れているイメージは、日本の文化ではないかと打ち合わせを重ねながら、強く思うようになりました。
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改修前の2階の和室を居間・食堂から見ます。この間仕切りは、すべて撤去され大きな空間に生まれ変わります。
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居間・食堂から階段室を見ます。
階段室の右手に見えるドアは2階の便所のドア。プライバシーに問題がある便所の位置。
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階段室の見下げ。この階段もすべて撤去され、無垢の階段でつくり変えられます。

さて次回からの「タブの木のある家」の連載は、模型や図面や解体中の写真などをまじえて、説明していこうと思います。
by y-hikage | 2012-06-25 17:33 | タブの木のある家 | Comments(0)

40・木造住宅の改修 「タブノキのある家」のインテリアの方針。

この写真は、「タブの木のある家」の改修前の2階の居間食堂です。

建て主ご夫婦と、打ち合わせを重ねながら、改修後の内部空間のインテリアのイメージを創っていきました。
ご夫婦は、イタリアと京都に惚れ込んでいます。どちらの良さも取り入れたいと・・・。
ご主人は、仕事がら、イタリアへ良く出かけます。そして剣道の達人で、京都にも頻繁に行き、高級な古い和風旅館に宿泊し、日本の文化と美術に触れています。
難しいテーマですが、
僕なりにイメージした言葉は、「繊細かつ男性的な力強い空間」でした。
この相反するような空間を具体的にどのように共存させるかが、僕のテーマになっていきました。
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考えた結果、
玄関を含む1階の空間は、繊細な日本的な空間へ、
2階は、どちらかと言うと骨太な力強い空間へ、
この二つの空間を結びつけるのが、南側の吹き抜けとしようと・・・。

当然ながら、すべてにおいて、無垢の自然素材と伝統的な職人の技術で・・・。
by y-hikage | 2012-06-25 16:55 | タブの木のある家 | Comments(0)

39・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の使われていなかった2階の和室。

改修前の「タブの木のある家」の2階には、畳敷きの和室がありました。
この和室は居間と食堂に面していて一応、ふすまで仕切られ開放型の間取りのように見えましたが、あまり使用されておりませんでした。
また和室に面した玄関の上、北東のバルコニーも全く使用されておらず、生活に生かされておりませんでした。
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和室から南側を見ます。
右手が居間食堂、左手が階段室と廊下(2階便所がこの場所に位置し、使用時のプライバシーに問題があると思いました)。
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2階和室の北側の押し入れです。改修後も同じ位置が収納となります。
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2階和室の北側の地窓と飾り棚。右手の掃出し窓の外がバルコニー。
改修後は、この飾り棚をわずか北側に増築し、開口部を大きくします(引っ越しの時の荷物を入れることが可能な唯一の窓になります)。
使用されていないバルコニーは、洗面室と便所に変化します。
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2階和室の北側入り口。改修後は、この壁は全面撤去され、居間食堂と一体となります。
by y-hikage | 2012-06-25 16:34 | タブの木のある家 | Comments(0)

38・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の2階吹き抜けとなる場所。

「タブの木のある家」は、1階南側を半間増築し、その壁面に合わせるように2階を一間半増築することになりました。
しかしながら部屋を広くするだけではなく、1階との空間のつながりがあったほうがいいのではないか、
現在、南に大きく育っている「タブの木」の緑を内部空間に取り入れたほうがいいのではないかと、提案しました。
写真正面左手の障子を開けると「タブの木」が視界に入ってきます(普段、あまり開けることが無いようでしたが・・・)。
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この手前の窪んだ空間を吹き抜けとすることで、1階との空間のつながりが生まれ、南の光と緑が、室内に満たされることを狙いました。
by y-hikage | 2012-06-25 16:17 | タブの木のある家 | Comments(0)

37・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の2階居間食堂の現況。

「タブの木のある家」は、1993年に建築されたハウスメーカーによる注文住宅です。
1階の床面積は22坪、2階の床面積は20坪、合計42坪の住宅でした。
注文住宅の特徴は2階の居間と食堂に表現されており、屋根勾配に近い、5寸勾配の勾配天井にした大きな空間になっておりました。
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校内天井の居間と食堂。軒桁レベルに米松の梁が化粧で架けられています。ボルトで締められている火打梁も同様に化粧で現れています。
この米松の梁と火打梁が、ご主人にとって、たいそう気に入らない存在で、打ち合わせのたびに、この梁は、「冴えない!、なんとかならないか!」と話しておられました。
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ご主人は、仕事がら西欧に頻繁に出かけることが多く、現地で、買い求めた家具や絵画などが、ところ狭しと置いています。
特にイタリアが最も好きな国で、イタリアの芸術性と京都の芸術文化の高さと、その共通性について、打ち合わせの度に教えて頂きました。
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もともとの現況でも障子が多用されています。このため改修後の遮光や遮蔽に障子を利用することがすることが容易に提案できたことが幸いでした。
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改修前の食卓です。写真左手の壁は、1階の壁面よりも一間下がっていました。1階の増築に連動して、この壁を南に増築することになりましたので、2階の南側は、合計一間半増築することになりました。

ちなみに奥様は、料理がとても上手で、手早く美味しい料理を作ります。ワイン好きのご夫婦で、打合せは、美味しいワインと料理をいただきながらおこなわれました。
とてもとても、楽しい時間でした(が、お酒に酔っていたため、打ち合わせの内容を忘れてしまうことも多く、そのたびに少し反省していました・・・)。
by y-hikage | 2012-06-25 15:56 | タブの木のある家 | Comments(0)

36・木造住宅の改修 「タブノキのある家」の1階南側のトレーニング室。

「タブの木のある家」の1階の南側奥は、トレーニング室になっていました。
ご主人は、剣道の達人です。
そのため竹刀を自由に振り回せるように、一般的な床レベルよりも40㎝ほど下げていて、一部天井を屋根勾配なりに上げていました。
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天井が一部、屋根勾配なりに上げてあります。改修後は、床レベルを上げて、一般的なレベルにそろえて、写真正面を半間増築しています(と同時に2階も増築されています)。
なるべく既存のアルミサッシを再利用しようと思い、右手の縦長のサッシは再利用しています。
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トレーニング室の北側を見ます。
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同様に、トレーニング室北側です。
この部屋は、改修後は畳敷きの客間に変化します。
by y-hikage | 2012-06-25 15:14 | タブの木のある家 | Comments(0)