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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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2019年 02月 25日 ( 1 )

江之浦測候所に行きました・その9

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「 江之浦測候所 」に

まさか日影アトリエの地元にある

北鎌倉・明月院の門があったとは・・・。


「明月門」とよばれるこの門について・・・、

江之浦測候所パンフレットに書かれた

杉本博司氏の解説は

とても興味深いものでした。

まさに「 明月門の物語 」のように・・・。


        ○


明月門は鎌倉にある臨済宗建長寺派の明月院の正門として室町時代に建てられた。

しかし大正12年(1923)の関東大震災の時に半壊し、数寄屋建築家で茶人であった仰木魯堂に引き取られて解体保存された。

その後大日本麦酒(サッポロビール、アサヒビール前身)の創業者で茶人であった馬越恭平の六本木邸宅の正門として、仰木魯堂により再建された。

昭和20年(1945)、馬越恭平の茶友であった根津嘉一郎の青山の邸宅が、馬越邸と共に米軍の爆撃で被災し、唯一この明月門のみが焼け残った。

馬越は自邸の移転を決め、残った明月門を根津家に寄贈した。

門は再度解体移築され、後に根津美術館正門として使用された。

平成18年(2006)、根津美術館建て替えの為根津美術館より当財団に寄贈され、小田原文化財団正門として解体修理され再建された。

建築様式としては室町期の禅宗様式の形を良く残し、躯体の多くの部材が創建材として残されている。

仰木魯堂は明治期に建築設計事務所を開き、建築家として活動しながら古美術の蒐集家としても目利きであり、かつ茶人としても独自のものを持っていた、

私の最も敬愛する日本人建築家である。

明月門の塀には木賊張り(とくさばり)が施される。

木賊張りは半割の竹を木賊のように縦に並べて壁面を構成する方法で、施工例としては桂離宮表門、伊勢神宮茶室、野村碧雲荘などがある。


(江之浦測候所パンフレットから引用)



       ○



碧雲荘(へきうんそう)は、

日本の実業家である二代目野村徳七が、

大正時代から昭和時代にかけて

京都市・南禅寺付近に築造した

数寄屋造りの別邸です。

野村徳七は近代の代表的な数寄者である

益田鈍翁などと親交があった

数寄者としても知られています。

北村捨次郎らの設計による、

数寄屋造りの高度な技法を

凝らして作られた建築物と、

近代日本庭園の先駆者である

小川治兵衛とその長男、保太郎が

作った美しい庭園があります。

大正時代から建築が始まり、

昭和3年(1928)頃に完成ました。

2006年に国の重要文化財に指定されました。

碧雲荘(へきうんそう)は

縁あって20年以上前に

知り合いの左官屋さんの案内で

隅々まで見学させていただきました。

北村捨次郎の住宅も

数寄屋建築として有名です。

京都市上京区に建っており、

昭和38年(1963)に

建築家・吉田五十八によって増築されました。

この吉田五十八作の北村邸は、

吉田五十八の住宅作品の中で

最も好きな建築です。

この北村邸も公開日にあわせて訪ね、

見学することができました。


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裏側から見た「 明月門 」


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塀の控え柱の納まりは、

好きな手法です。


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門の正面に据えられた大きな石。


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江之浦測候所に移築された

「 明月門 」と

新しく作られた木賊張りの塀


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桂離宮正門の木賊張りの塀


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伊勢神宮茶室の木賊張りの塀。

施工は数寄屋建築の

達人・中村外二棟梁によるもの。


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野村碧雲荘正門の

木賊張りの塀


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修学院離宮・中離宮中門の

木賊張りの塀


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修学院離宮・上離宮中御成門の

木賊張りの塀


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四君子苑(しくんしえん)とよばれる

旧北村邸


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吉田五十八設計による

旧北村邸の増築棟


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by y-hikage | 2019-02-25 16:09 | 建築巡礼 | Comments(0)