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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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2018年 08月 08日 ( 1 )

遠藤勝勧氏の「手の記憶」展に行きました。

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725日の水曜日、

新橋の「ギャラリーてん」で開催されていた

「手の記憶・遠藤勝勧・建築実測スケッチ展」

に行きました。

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遠藤勝勧氏は、

1934年に生まれ

1955年に世界的建築家・菊竹清訓の

建築設計事務所に入所し

およそ40年間勤め

数百にものぼる菊竹清訓の作品を

担当された方です。

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展覧会には、

遠藤勝勧著「見る測る建築」を持参しました。

ギャラリーの椅子に座っておられた遠藤勝勧氏に

この本を見せたら、

「良くもっておられましたね・・

この本はなかなか手に入らないそうですよ」

と言われました。


ギャラリーに展示されている

スケッチのほとんどは、

1965年にアメリカに渡ったときの

建築スケッチです。

ルイス・カーンをはじめとして

著名な建築物の詳細が

フリーハンドで描かれていました。

そのスケッチの精度と美しさは

眼を見張るばかりで、

本で見る印象とは別格のものでした。

当然建築から建築へと

移動しながら描いているはずですが、

一枚のスケッチに

どれぐらいの時間をかけられているか

聞いてみたら

「 10分 」というこれまた

驚くべきスピードに腰をぬかしました。

(当時、使用していたペンはロットリング・・・)

そしてまたこれらのスケッチは

フリーハンドで描いていながら

製図で使用する

三角スケールの縮尺に適合しています。

遠藤勝勧氏の建築の説明も

たいへん勉強になりました。

たとえばフランクロイドライトが

設計したグッケンハイム美術館について・・・。

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グッケンハイム美術館は、

らせん状のスロープを登りながら

作品を鑑賞していく平面としていますが、

壁面は構造を兼ねた界壁で仕切られており、

この界壁で区切られた空間を、

遠藤氏は、

日本の茶室空間だと説明してくれました。

絵を飾る壁面を床の間に見立て、

床の間の壁面に注ぐトップライトの光は、

茶室の天井に設けられた

突き上げ窓から

ヒントを得ているのではないかと・・・。

トップライトの光が

床の間と床の間で切れないように

界壁に半円で穴を開けているのも

空間の流動性を保つためではないかと・・・。

界壁と手すりの間の通路の床に

緩やかな勾配をつけ

鑑賞する人たちによどみを与え、

このよどみの上の天井も勾配天井としており、

さながら茶室の掛込天井のようだと・・・。

こんな風に遠藤氏は説明してくれました

(僕の記憶のテープ起こしにて・・・)。

そしてこうも付け加えました。

「 自分の眼で見て実測してみないと、

ここまで気がつかないんだよね 」

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遠藤氏が言う


グッケンハイム美術館の床の間を

製図室に戻って確かめてみました。

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遠藤氏がみつけた

グッケンハイム美術館の床の間。

赤い線でなぞりました。



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さらに断面図を見て確認。

界壁の半円の穴まで青く塗ったのは、

コンセプトを強調するためです・・・。




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僕は今まで

グッケンハイム美術館の外観の写真を見て、

かたつむりのように見える隙間は、

日本の駐車場ビルのような

横長の窓だと思っていました。

ところが床の間を照らす

トップライトだったとは・・・。

遠藤勝勧氏の説明を聞くまでは

わかっていませんでした。


(※グッケンハイム美術館の写真と断面図は、

WRIGHT IL MUSEO GUGGENHEM からの転用)


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遠藤勝勧氏が毎年使っている

手のひらサイズの手帳・・・。

この手帳もまた驚異的で、

小さい字で、

小さなスケッチでびっしりと

美しく描かれています。

この手帳を見返すと

過去のことが全てわかるとのことです。

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遠藤勝勧著「 見る測る建築 」の

表紙の帯に書かれた

建築家・菊竹清訓氏の言葉。

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遠藤勝勧著「 見る測る建築 」の

表紙の帯に書かれた

建築家・香山壽夫氏の言葉。

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「 見る測る建築 」にサインをいただきました。

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帰り際に遠藤勝勧氏と

記念写真を撮ってもらうことができました。


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by y-hikage | 2018-08-08 14:43 | 建築巡礼 | Comments(0)