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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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2018年 07月 31日 ( 1 )

晩香廬という建築

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晩香廬は

修学院離宮とイメージが重なりました。


東京都北区王子の飛鳥山公園に建つ

晩香廬(ばんこうろ)」は、

日本近代経済社会の父、

渋沢栄一の喜寿を祝して、

清水組(現清水建設)が贈呈した小亭です。

完成は、1917年(大正6年)のこと・・・。

日常的に多くの賓客を招くための

客間のような機能をもち、

新しい意味の茶室建築と評され、

西洋風茶室として設計されました。

屋根は赤色の瓦葺きですが、

軒の深さと低さは、

日本的な茶室建築の

プロポーションを受け継いでおり、

この美しい矩計断面寸法が

建築美を支えています。


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この建築を今回あらためて見て、

なにかの建築に似ていると思いました。

外観のプロポーションにおいて・・・。

そのなにかが思い出せなく、

もやまや感が続いていましたが、

僕の膨大な?建築蔵書を眺めていて、

ついにわかりました。

修学院離宮・・・・。

修学院離宮の「 寿月観 」


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修学院離宮の「 客殿 」


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修学院離宮の「 楽只軒 」


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晩香廬の

外壁は土壁仕上で、

四隅に黒紫色の煉瓦タイル張りとしています。

土壁は錆土壁として

侘びた表情を創り出しています。

茶室を作り込むように

手のこんだ仕事をしていますが、

けして華美な印象はありません。


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出窓の意匠やテラスドアの

足元まわりの納まりも考え抜かれていて、

あっさりと見えますが、

これ以上ないほどに整っています。


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裏側は全面タイル張りとしています。

防火のためでしょうか。


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談話室は、

緩やかなに傾斜する勾配天井で、

化粧の棟木と隅棟の縁取りに

鳩やリスや葡萄などの

石膏細工をほどこされています。


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腰壁は萩の茎を真鍮釘で留め、

上部を茶室風に

青貝まじりの砂壁としています。


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個人的に若干、

違和感を感じたのは暖炉廻りの意匠・・・。

空間のスケール感の中で

主張が大きすぎるような気がしました。


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そして造作の意匠で一番好きなのは、

廻り縁のかたち。

面なし直角段々のかたち。

このかたちが

けしてあまったるくない

渋沢栄一の生き方を

表現しているような気がしました。


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次回、晩香廬の雨といに続く・・・。


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by y-hikage | 2018-07-31 12:20 | 建築巡礼 | Comments(0)