
ここ数日、平屋の小さな家のことを考えています。
日影アトリエの今までの作品の中で、
平屋の小さな家で、
代表的な家は1997年に竣工した
「ひののあん」です。
1998年6月に住宅建築に掲載された
解説文を読んでみます。
◇◇◇
建主は以下のような住まいを希望していた。
「和風平屋建ての自然素材を使った
日当たり風通しの良い住まい。
寝室は6畳で
居間は客間と茶の間を兼ねた8畳間。
アトリエは板の間で
キッチン、水まわりはコンパクトに」
データシートには建主から
渡された雑誌の切り抜きの写真が添えられていた。
その写真には「陽射しと廊下」という文字が
添えられており、
庭と室内の繋がりがとても自然な、
一間幅の広縁をもつ
平屋建て瓦葺きの日本家屋の写真であった。
建主と会う前に敷地を見に行った。
つい最近まで畑だったところを
区画整理した風景であった。
周辺には建売住宅が建てられ、
いずれそれらが群として建っていくだろうと
不思議に思いながらその場所を離れた。
後日、新宿の高層ビルの打合せブースで
初めて建主と僕とで打合せが行われた。
独り暮らしの住まいだから
防犯性の配慮は大切なものだった。
僕の打合せメモにはこう書かれている。
「区画はあるけどワンルーム」
「閉じてるんだけど開いている」
僕はこの時点でこの敷地を外部から閉ざし、
外部とは別の空気をつくろうと
思ったに違いない。
そして僕は周囲の乾いた磁場が気になっていた。
10年後の風景は、
建売住宅に取り囲まれるのであろうか。
たとえば都心でビル開発に取り残された
古びた日本家屋の姿を思い浮かべた。
その日本家屋は町の潤いであり、
人々の記憶である。
今回設計する家を
古びたものにするつもりはなかったが、
古びてなお味のある家にしたかった。
だから普遍的な住まいとは
どんなものなのかという
基本的な事項の解決が
この設計のテーマだった。
平屋の方形屋根を
無塗装横張り杉板塀が取り囲む。
最低限の間取り。
深いヒサシが覆う広縁で
ポカポカと四季を楽しむ。
10年後は庭に植えた木も育ち、
周囲から見るとこの敷地は
ポッカリと浮かぶ森のようになっている。
このようなイメージは、
確認こそしていないが
建主も僕も共通して
持っていたものだと思っている。
(日影良孝)
(住宅建築199806号より転載)
◇◇◇




















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