ブログトップ | ログイン

日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

hikagesun.exblog.jp

「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。

「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14445329.jpg



道具を見る眼を養いたいと思い、


サントリー美術館で開催されている


「根来赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。


中世に大寺院として栄華を極めた


根来寺(ねごろじ・和歌山県)で作られた


質の高い朱漆器(しゅしっき)は、


「根来塗(ねごろぬり)」と呼ばれて


特別視されてきました。


堅牢な下地を施した木地に、


黒漆の中塗と朱塗を上塗した漆器(朱漆器)は、


それ以前の時代から各地で作られてきましたが、


江戸時代以降に産地を問わず


「根来(ねごろ)」の名で呼ばれるようになりました。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14444917.jpg



根来塗の朱漆器は、


一乗山大伝法院根来寺


(現在の和歌山県岩出市根来)で


鎌倉期から室町時代まで


数千にも上る僧たちが


日常に使う什器を主として


色々な漆物(うるしもの)が作られていました。


その中でもほんの一握り、


当時金と同格と言われた


貴重な天然の辰砂(しんしゃ)を使った


自然な刷毛目を残す鮮やかな朱色が特徴の


根来寺一山の至高の漆物が作られていました。


貴重な辰砂を使った塗り物は


限られた一部の高僧が使っていたとされています。


今の漆物ではできない、


用に耐える漆物は角が欠けにくく、


沸騰したお湯も直に入れることができ、


初め真っ赤なその漆物は、


上の朱が減ってもその下の黒、


そのまた下の高度な下地が


用に耐え使い続けることができ、


擦れた様も朱と黒のコントラストにより


新しい美が見える堅牢な漆物で


傷付いても美しい漆器は、


中世最高の漆物(うるしもの)とされています。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14444338.jpg



根来塗については、


今まで詳しく知りませんでしたが、


根来寺の国宝建造物である


「大塔」は知っていました。


国宝建造物を採集することを


ライフワークとしているので、


見学に行ってみたい建造物のひとつです。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14443990.jpg



900年の歴史を誇る根來寺は、


高野山の学僧であった


覚鑁(かくばん)上人によって開創された


新義真言宗の総本山です。


昭和27年に国宝に指定された


『大毘廬遮那法界体性塔』


(だいびるしゃなほっかいたいしょうとう)


通称「大塔」と呼ばれる


日本最大の木造塔(高さ37m、横幅15m)は、


天文16年(1547)に建立され、


我国最大の木造大塔で、


秀吉の紀州攻めから残ったものであり、


その頃の戦乱の弾痕がはっきりと残っています。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14443493.jpg



聖天堂


名勝聖天池に浮かぶ堂は、


聖天堂で聖天尊を安置しています。


この堂正面の朱塗の壇が「根来塗」で、


室町時代から伝わっているものです。


令和元年に重要文化財に指定されています。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14442900.jpg



和歌山県には、根来寺大塔を含めて


5棟の国宝建造物があります。


いつの日か、


ぜひとも見に行きたいと思っています。



「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。_c0195909_14491943.jpg


by y-hikage | 2026-01-11 14:49 | 建築巡礼 | Comments(0)
<< 85回目のお茶のお稽古 新年の「葉山ここの家」の現場 >>