
道具を見る眼を養いたいと思い、
サントリー美術館で開催されている
「根来—赤と黒のうるし」を鑑賞してきました。
中世に大寺院として栄華を極めた
根来寺(ねごろじ・和歌山県)で作られた
質の高い朱漆器(しゅしっき)は、
「根来塗(ねごろぬり)」と呼ばれて
特別視されてきました。
堅牢な下地を施した木地に、
黒漆の中塗と朱塗を上塗した漆器(朱漆器)は、
それ以前の時代から各地で作られてきましたが、
江戸時代以降に産地を問わず
「根来(ねごろ)」の名で呼ばれるようになりました。

根来塗の朱漆器は、
一乗山大伝法院根来寺
(現在の和歌山県岩出市根来)で
鎌倉期から室町時代まで
数千にも上る僧たちが
日常に使う什器を主として
色々な漆物(うるしもの)が作られていました。
その中でもほんの一握り、
当時金と同格と言われた
貴重な天然の辰砂(しんしゃ)を使った
自然な刷毛目を残す鮮やかな朱色が特徴の
根来寺一山の至高の漆物が作られていました。
貴重な辰砂を使った塗り物は
限られた一部の高僧が使っていたとされています。
今の漆物ではできない、
用に耐える漆物は角が欠けにくく、
沸騰したお湯も直に入れることができ、
初め真っ赤なその漆物は、
上の朱が減ってもその下の黒、
そのまた下の高度な下地が
用に耐え使い続けることができ、
擦れた様も朱と黒のコントラストにより
新しい美が見える堅牢な漆物で
傷付いても美しい漆器は、
中世最高の漆物(うるしもの)とされています。

根来塗については、
今まで詳しく知りませんでしたが、
根来寺の国宝建造物である
「大塔」は知っていました。
国宝建造物を採集することを
ライフワークとしているので、
見学に行ってみたい建造物のひとつです。

約900年の歴史を誇る根來寺は、
高野山の学僧であった
覚鑁(かくばん)上人によって開創された
新義真言宗の総本山です。
昭和27年に国宝に指定された
『大毘廬遮那法界体性塔』
(だいびるしゃなほっかいたいしょうとう)
通称「大塔」と呼ばれる
日本最大の木造塔(高さ37m、横幅15m)は、
天文16年(1547)に建立され、
我国最大の木造大塔で、
秀吉の紀州攻めから残ったものであり、
その頃の戦乱の弾痕がはっきりと残っています。

聖天堂
名勝聖天池に浮かぶ堂は、
聖天堂で聖天尊を安置しています。
この堂正面の朱塗の壇が「根来塗」で、
室町時代から伝わっているものです。
令和元年に重要文化財に指定されています。

和歌山県には、根来寺大塔を含めて
5棟の国宝建造物があります。
いつの日か、
ぜひとも見に行きたいと思っています。
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