8月24日(土)と25日(日)、
「東玉川の家(2007)」の別荘での、
バーベキュー大会のために
軽井沢を訪れ、バーベキュー大会の前に、
建主さん家族と共に、
ペイネ美術館を見学に行きました。
ペイネ美術館は、
建築家・アントニン・レーモンドが設計した
「軽井沢夏の家(1993)」です。
ペイネ美術館は過去に何度か見学していますが、
今回見学に行って、
この建築が国の重要文化財に
指定されたことをはじめてしりました。
国指定重要文化財に
指定された経緯を読んでみます。
◇◇◇
2023年6月23日、
国の文化審議会文化財分科会、
軽井沢タリアセンが所有する
「軽井沢夏の家
(旧アントニン・レーモンド軽井沢別荘)」
(現:ペイネ美術館)を
国指定重要文化財に指定することを
文部科学大臣に答申しました。
「軽井沢夏の家」は、
ボヘミア(現在のチェコ)生まれ米国建築家
アントニン・レーモンド(1888~1976)が設計、
1993(昭和8)年軽井沢南ヶ丘に建設され、
レーモンド自身、妻のノエミ、
そしてレーモンド事務所の所員数名らが、
夏の間を過ごす
別荘兼設計スタジオをとして利用されました。
1937(昭和12)年、
レーモンドのアメリカ帰国の際に
売却され何代かの所有者を経たのち、
1986年軽井沢タリアセンが
塩沢湖畔に移築復元し、
フランス人画家レイモン・ペイネの絵画を
展示するペイネ美術館として活用しています。
「夏の家」は、
ル・コルビジェ設計の
「エラズリス邸(1930)」の計画案が原型で、
原案のバタフライ屋根と
屋根形状に沿ったスロープを採用し、
皮むき栗材と杉材を自然の形状のまま
柱と梁に使用しています。
リビングの開口部、
コルビュジェの案を改良し「芯外し」
(柱とガラス戸の位置を分ける)を採用することで
部屋の内外の連続性が高まり、
開放感ある空間を実現しています。
文化審議会の発表では、
日本建築の様式を折衷させた
「木造モダニズム建築」の先駆けとして、
歴史的評価が高いものと評価しています。
◇◇◇
「東玉川の家」の建主さんが、
「日影さん、この建築好きです・・。
色と屋根のかたちが、
岩手県の牧場そばにたつ
昔からのサイロを思い出します・・」
と言いました。
言われてみれば確かに・・・。
「夏の家」の四季を通じた佇まいや景色、
あるいは移築前の姿を知るために、
インターネットや文献から
「夏の家」写真を探してみました。
当初の屋根は、
屋根の上に唐松の枝が敷かれていました。
屋根は鉄板葺きでしたが、
夏の暑さと雨の音を防ぐために
後から枝が敷かれたそうです。
現状にはない基壇の鉄筋コンクリート基礎。
吉村順三は、
木造部の下にあるピロティ部分が
特に好きだったと言われています。
吉村順三の軽井沢の山荘のピロティは、
この夏の家からの影響があるという説があります。
ピロティの下に座る人物は
吉村順三であるという説もあります。
「夏の家」の特徴のひとつである
1階の大開口部。
柱の外側に雨戸。
柱の内側にガラス戸の引戸があります。
この全ての建具が片側の戸袋に収納されます。
◇◇◇
次回、
アントニン・レーモンドの建築
軽井沢の新スタジオ
に続く・・・。
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