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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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建長寺法堂(鎌倉の13棟)

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法堂(はっとう)は、


住職が修行者(僧衆)に説法する場所のことで、


禅宗の中でもっとも大切な堂です。


建長寺法堂は、山門の再建に続き、


1814年(文化11年)に再建されました。


禅宗仏堂としては、関東最大の規模をもち、


規模にあわせて組物も大型で


十分な量感をもっています。


随所に見られる復古的な意匠に


鎌倉盛期への再興の意図が込められています。



建長寺法堂(鎌倉の13棟)_c0195909_10000570.jpg



柱上の斗(ときょう)を大型にしたり


側面の花頭窓を裾の広がりのない関東風にしたり


建物を古風に見せる工夫が凝らされています。



建長寺法堂(鎌倉の13棟)_c0195909_10000085.jpg



時代が下がると、


木鼻(きばな)などに獅子や象、


花の彫刻がついて賑やかになりますが、


この堂は肘木(ひじき)に渦巻模様と


支輪(しりん)とよぶ軒板に


流水紋の彫刻ほどこす程度です。


彫刻がないと建物は地味になりますが、


静かな印象を与えます。


また堂内中央の天井を低く抑えているのも、


落ち着いた雰囲気を醸し出す演出と思われます。


静かで厳粛な環境で修行させようという


配慮がしみじみと伝わってきます。



建長寺法堂(鎌倉の13棟)_c0195909_16351075.jpg

by y-hikage | 2022-08-16 10:02 | 鎌倉の建築 | Comments(0)
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