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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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建長寺三門(鎌倉の13棟)

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建長寺三門は、


1775年(安永4年)に再建された


2階建の二重門です。


二重門は、上層,下層それぞれに


屋根を架けているのが特徴です。


中世の二重門が


下層よりも上層を小さくつくるのに対し、


建長寺三門は近世らしく


上層の屋根を下層より大きく張り出し、


正面に軒唐破風をつけて、


堂々とした量感を見せています。


正面には鎌倉時代の


後深草天皇(在位1246年から1260年)の


筆跡にもとづくといわれる


「建長興国禅寺(けんちょうこうこくぜんじ)」


という額が掲げられています。


室町期の禅宗様を踏襲した二重門は、


いかにも建長寺本山の顔になっています。



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建長寺三門は、


古都鎌倉屈指の禅刹において


伽藍中枢の主要建物として


威風堂々とした姿で再建され、


また鎌倉市内では、


英勝寺山門(1643・寛永20)、


円覚寺山門(1783・天明3)、


光明寺山門(江戸末期)とともに


近世鎌倉の二重門の遺構として


非常に貴重な存在となっています。



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ちなみに「三門」は


空・無相・無作の三解脱門の略称で、


一般には「山門」と書きます。



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by y-hikage | 2022-08-15 18:03 | 鎌倉の建築 | Comments(0)
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