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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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覚園寺薬師堂(鎌倉の13棟)


覚園寺薬師堂(鎌倉の13棟)_c0195909_14443607.jpg


覚園寺は、北条義時公の薬師如来信仰により、


1218年(建保6年)に建てられた


大倉薬師堂が覚園寺のはじまりです。


1296年(永仁4年)北条貞時が、


再び元寇が起こらぬことを祈って


心慧(しんえ)を開山として


改めて建立したのが覚園寺です。


現在の薬師堂は、大倉薬師堂を前身とし、


1354年(文和3年)に足利尊氏によって再建され、


その後1689年(元禄2年)に


茅葺屋根に造り直すなど、


修繕が重ねられ現在にいたります。


覚園寺薬師堂(鎌倉の13棟)_c0195909_14443146.jpg


覚園寺薬師堂について


「建築MAP横浜・鎌倉(TOTO出版)」に


書かれている解説を読んでみます。


◇◇◇


北条義時が1218年(建保6年)に


建立した大倉薬師堂に始まり、


2度の蒙古襲来の後、


執権北条貞時が蒙古の再来を


退けることを祈って独立した一寺に改め、


覚園寺と号した。


険しい「谷戸」の奥深く位置する寺地には


「宋風」の山上伽藍が営まれたという。


この創建時の建物が


1337年(建武4年)に焼失した後、


足利尊氏が薬師堂を再建、


現在の薬師堂は、


この尊氏再建の堂の材を再利用して


建てられている。


薬師堂は、方三間の母屋の周囲に


一間の庇を廻らせた五間堂で、


母屋の材の大部分は足利尊氏が


1354年(文和3年)に造営した


前身堂の古材である。


二重屋根の大規模な前身堂の


母屋部分の軸組や須弥壇を縮小して転用し、


現在の一重屋根の小規模な堂に納めている。


母屋の鏡天井に張り付けられた


尊氏自著の梁碑が建物の歴史を物語る。


◇◇◇


覚園寺薬師堂の図面は、


「神奈川県文化財調査報告書」第32集・


伊藤恵司「覚園寺薬師堂の


修理調査について」からの転載です。



覚園寺薬師堂(鎌倉の13棟)_c0195909_10292265.jpg


by y-hikage | 2022-08-15 14:39 | 鎌倉の建築 | Comments(0)
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