旧前田侯爵家別邸は、
加賀藩主前田家16代・
前田利為(としなり)の別荘として
1936年(昭和11年)に建てられました。
1階は鉄筋コンクリート造で、
2、3階は木造です。
1階は、半地下的な扱いで、
2階が主要階になっているため、
外観は大規模な
木造2階建てのように見えます。
屋根は青いS字型洋瓦(スパニッシュ瓦)で
葺かれ、ハーフティンバーを
基調とする洋風建築と、
切妻屋根に深い庇といった和風が
不思議と混在し、
南側の主要ファサードが左右非対称で
独特な佇まいを見せています。
山荘の故か、柱や梁は、はつり仕上であり、
総じて柔らかで繊細な感じではなく、
ごつく毛深い印象です。
内装はアールデコ様式を基調とし、
随所に和風様式を配しています。
戦後は、GHQの接収を受けています。
佐藤栄作が1964年(昭和39年)から
1975年(昭和50年)に亡くなるまでの間、
建物のほぼ半分を別荘として借りていました。
作家の三島由紀夫がこの地を訪れ、
小説「春の雪」の一場面として、
別荘の舞台の描写に取りあげています。
1983年(昭和58年)に、
前田家第17代当主前田利建から寄贈され、
注釈:
ハーフティンバー:
特に木造住宅建築の一様式で、
柱・梁・斜材など骨組構造材を
そのまま外部に現し、
その間の壁体を石材、土壁、
あるいはレンガで充填したもの。
イギリスで1450年から1650年ごろに
盛んに行われた方式。
ドイツやフランスにも、その例は見られる。
日本で言えば、古い民家のように
内部と外部に構造材が現しで見える
「内外真壁構造」である。
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