「みみをすますように 酒井駒子展」で
すてきな図録を買いました。
その図録に書かれた
酒井駒子による序文を読んでみます。
◇◇◇
秋の日に、山の中の道を歩いていた。
もう日暮れで、空は明るく見えるけれど、
周りの木立は暗く沈んで見えた。
真っ暗になる前に家に着きたい。
山の中とはいえ舗装道路を
下るだけなので、
迷うわけではないのだけれど。
急いだ気持ちで歩いていると、
前のほうから目の高さで、
なにか黄色なものが
ヒラヒラと飛んでくるのが見えた。
「蝶」と思ったときにはすれ違って、
振り返ると蝶は身もだえするように
ヒラヒラと、
道の真ん中を一心不乱に飛んでいって、
やがて暗さににじむように見えなくなった。
蝶は、あんなにまっすぐ
どこへ向かっていったのか。
切迫した気配がずっと心に残っている。
展覧会の
「みみをすますように」という言葉をきいて、
かすかな聴こえないような音を
探す様子を思いうかべた。
一心不乱に飛んでいった
蝶の声を探してみたい。
酒井駒子
◇◇◇
展示会場は「2m26」という
フランス人二人のユニットが
デザインしていて、
作品が杉の木に
守られているかのようでした。
しかもその杉の木は、
上等な杉ではなく
誰もが入手できる
安価な杉を使っていました。
それがかえって
森の中にいるような
心地よさをうみだしていました。
横須賀美術館で開催されていた
「みみをすますように 酒井駒子展」
9月5日まで開催予定でしたが、
8月23日から臨時休館となり、
開催が中断してしまいました。
またどこかで
酒井駒子展が開催されたら、
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