11月のはじめ、
京都でのうちあわせがあり、
そのうちあわせの帰り、
京都と奈良の県境周辺に建つ
6棟の国宝建造物を観てきました。
ひとつめは
石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿
ふたつめは
石上神社拝殿
みっつめは
法界寺
よっつめは
海住山寺五重塔
いつつめは
浄瑠璃寺三重塔
むっつめは
浄瑠璃寺本堂
現在、
国内で指定されている
国宝建造物の数は228件。
今回の見学で
今まで観た国宝建造物の棟数が
122棟になりました。
国内の国宝建造物を
すべて観ることを
目標としていますが
到達までまだまだ長い道のりです・・・。
石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿
(いしがみじんぐう
せっしゃいずも
たけおじんじゃはいでん)。
奈良県天理市に建っています。
建築年代は
鎌倉時代・正安二年(1300年)
とされています。
割拝殿(わりはいでん)形式を
もつ最古の建築で、
梁間一間しかない細長い間取りの中央に、
「馬道(めどう)」とよばれる
床を張らない土間があり
前後に通り抜けられる
通路があるのが特徴です。
この小さくミニマムな建築は
昔から興味があったので
見学が実現できてよかったです。
想像以上にプロポーションが美しく、
見学後に東京田町の
建築学会図書館で
図面を探したのですが、
図面がなかったのが残念です。
自らの実測が必要なほどに
美しい建築でした。
石上神宮拝殿
鎌倉時代初期の建築とされ、
軒の低い入母屋造檜皮葺の屋根が
しっとりとした佇まいをみせています。
貫を多用し、
長押が少なく大仏様の木鼻を用い、
総じて部材が太くて力強いなど、
鎌倉前期の大仏様の影響が強く見られます。
法界寺(ほうかいじ)阿弥陀堂
京都市伏見区にたっています。
鎌倉時代嘉禄二年(1226年)の
建築とされています。
方五間の身舎(もや)のまわりに
一間の裳腰(もこし)がとりつく
大型の阿弥陀堂建築です。
内部空間は見学できませんでしたが、
平安時代の天台宗で
阿弥陀仏の周囲を回りながら
念仏を唱える常行三昧堂に始まり、
宇治の平等院鳳凰堂など
阿弥陀堂建築へ
発展したものとされています。
たしかに内部の写真をみると
平等院鳳凰堂に似ています。
海住山寺(かいいじゅうせんじ)五重塔
京都府木津川市加茂町に建っています。
鎌倉時代建保二年(1214年)の
建築とされています。
鎌倉時代唯一の五重塔といわれ、
現存する五重塔としては
室生寺の五重塔の
次に小さいものです。
初重の吹放しの裳腰が特徴です。
浄瑠璃寺三重塔
京都府木津川加茂町に建っています。
この塔は治承二年(1178年)に
京都・一条大宮から
移築されたと言われています。
建物の構造手法から
平安時代末期の建築とみられています。
浄瑠璃寺本堂
平安時代保元二年(1157年)の
建築とされています。
太陽の沈む西方浄土へ迎えてくれる
阿弥陀仏を西向かって拝めるように
東向きに、
浄土の池の対岸から(三重塔の側から)
彼岸に来迎仏を拝ませる設計としています。
平面形と矩計が美しく、
昔から見てみたい建築でした。
様々な意味で興味がつきない建築です。
僕の中では
「秋篠寺」とともに
矩計プロポーションの研究対象です。
今回の国宝建造物採集での宿題は、
石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿と
浄瑠璃寺本堂の
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