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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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映画「蜜蜂と遠雷」をみにいきました。

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夢中になって読んだ

「蜜蜂と遠雷(恩田陸著)」が

映画になったということを知りみに行きました。


朝早いほう(915分から)が

午後の時間を有効に使えるし、

しかも大雨だから

劇場の席は僕一人かもしれないかも・・・と

楽しみに行ったら

とても混んでいました。


映画を観るようになったのは最近のこと・・・。

たしか最初は「フジコ・ヘミングの時間」で

「羊と鋼の森」「日日是好日」・・・。


心が動いた小説の映画化は

期待の大きさとの落差に

心がへこむということをよく聞きますので、

「蜜蜂と遠雷」では、

音楽を聴きに行く、

あるいはコンサートに出かける

という気持ちで

大雨の中を電車で

辻堂の映画館にいきました。


「蜜蜂と遠雷」は

作家・恩田陸が12年間にわたって

浜松国際ピアノコンクールを取材しながら

書き上げた小説です。

2段組み500頁におよぶ

大作の物語のほとんどは

演奏(あるいは音楽)に関する場面で

埋め尽くされ

音楽が小説に生まれ変わったかのようでした。


物語は天才少女・栄伝亜夜(通称アーちゃん)、

アーちゃんの幼馴染の

マサル・カルロス(通称マーくん)、

天から我々へのギフトと称される

神の子・風見塵、

楽器店勤務の28歳の高島明石の

4人を中心に繰り広げられます。


印象に残った

映画の中での場面はいくつかありますが、

そのひとつを小説の原文で読んでみます。


撮影の舞台となった

武蔵野音楽大学のバッハザールの

階段の踊り場での撮影シーン・・・。


※ ※ ※


「マーくんのコンチェルトはプロコフィエフの三番かあ」

本選で演奏するコンチェルトは、コンクールの総仕上げだ。

できる曲かやりたい曲、ということになるがコンテスタントの思い入れがある曲を選ぶことが多い。

「アーちゃんは二番。コンクールで二番弾くのって珍しいね」

「そう?」

なんとなくどきっととした。

亜夜がかつて本番をすっぽかし、表舞台から姿を消すことになった時に弾く予定だったのがプロコフィエフの二番だったことを思い出したのだ。

無意識に選んでいたのかしら?

亜夜は慌ててその考えを打ち消した。

「あたし、プロコフィエフのコンチェルトって全部好き。プロコフィエフって踊れるよね」

「踊れる?」

「うん。あたしがダンサーだったら、踊りたい。バレエ音楽じゃなくても、プロコフィエフの音楽って、聴いていると踊ってるところが見える…(後略)」


※ ※ ※



本選に残った風間塵はバルトーク三番を弾きます。

マサル・カルロスはプロコフィエフの三番。

栄伝亜夜はプロコフィエフの二番を弾きます。


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映画の上での演奏とはいえ、

その音楽のすばらしさに感動しました。

特に「プロコフィエフの三番」は

製図室でなんども繰り返し聴いています。


映画の中で演奏するピアニストは

役者によって選ばれていました。

栄伝亜夜は河村尚子。

マサル・カルロスは金子三勇士。

風間塵は藤田真央でした。

藤田真央は今年2019年の

チャイコフスキー国際コンクールで

2位を受賞した若きピアニストです。


映画を観てから

プロコフィエフの三番の

演奏を繰り返し聴いています。

ピアニストは映画の中での

風間塵ではないかと思わせる

神の子・黒木雪音(くろきゆきね)の演奏です。



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by y-hikage | 2019-10-27 12:20 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)
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