杉本博司という現代美術作家のことを、
正直あまりよく知りませんでした。
ところが昨年発売された
CasaBRUTUSの「おさらい日本の名建築」という
雑誌を手にとったとき驚きました。
紙面の内容は、
杉本博司が選んだ名建築を
杉本博司本人が解説するというもの・・・。
杉本博司が選んだ建築は
どれもが名建築と呼ぶにふさわしく、
その潔癖なまでの洞察力に
感銘を覚えました。
昨年の10月に開館した
「江之浦測候所」という
ランドスケープ+建築も
とても興味がありますが、
まだ訪れていません。
9月17日まで開催されていた森美術館にも
「江之浦測候所」が展示されていました。
とりあえず、近場で見学できる作品はないかと
CasaBRUTUSのページを
めくっていたらありました。
東京ミッドタウンの1階に入る
「Isetan Salone」と
青山のoak ometesandoビル1階の
「究竟頂/茶洒 金田中」の2作です。
まずは、「 Isetan Salone 」。
村野藤吾の階段の手すりを
参考にしたという階段。
「看板建築」の銅板壁から着想した、
酸で洗ったブリキパネルの壁、
ヒバの柾目に
一本一本ステンレスバーを入れて
平行を維持している障子。
ストイックともいえる造形力が
生み出す空間は絹の糸を張りつめたような
美しい緊張感を放っていました。
「 究竟頂/茶洒 金田中 」。
杉本博司のアート作品である
「数理模型」を天井から吊るした空間造形。
素材感が生々しいまでも表現されていました。