
7月のとある週末、
吉村順三記念ギャラリーに行きました。
テーマは、
第70回「 ジャパンハウス 」
まずは、JA59 吉村順三 (新建築社刊)の
解説を読んでみます。
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この建物は、日米間の相互理解と学術交流を目的とする「日本協会(ジャパン・ソサエティ)」の本部として、ニューヨーク市の中心街、国連ビルのすぐ近くに1971年に建設された。
大柄な高層ビルがひしめくマンハッタンにあって、わずか4階建てと小規模な建築ではあるが、存在感を主張している。
ファサードのプレキャスト・コンクリートやアルミの簾。鉄製の犬矢来に見られるデザインの細やかさが、内の空間まで一貫している。
平面構成は簡潔だが、連続する屋内外ふたつの庭を中心に展示室や会議室、事務室、ロビーから地下のオーディトリアムへの空間が緊密に連続している。
そこには、近代建築の貢献しうる日本的空間センスが惜しみなく提案されている。
(JA59 吉村順三・新建築社刊より)
※※

この建築は、
吉村順三の作品の中でも好きな部類にはります。
(特に嫌いな部類は見つからないのですが・・・)
水平線を基調としたシンプルな外観。
トップライトから光が注ぐ室内の池と
池に浮かぶ美しい階段。
端正で繊細な日本的な細部・・・。
掲載されている作品集を
何度も何度も見てきました。



1階の縦格子と犬矢来。
3層目と4層目の簾が
日本的な意匠を表現しています。

エントランスホール。
正面の池に浮かぶ美しい階段。




トップライトから自然光が注ぐ吹抜け空間。











オーディトリアム。




地階平面図

1階平面図

ファサードのスケッチ


京町屋のファサード・・・。
犬矢来とは、
京都の町屋などにある
軒下の防護柵のようなものを指します。



アルミの簾の詳細。

アルミ簾の詳細図とスケッチ。



吹抜け上部のトップライトの詳細。



トップライトの詳細図。


地下平面図

1階平面図

2階平面図

3階平面図

断面図

断面図

今回あらためてジャパンハウスの外観を見て、
青山タワービルを連想しました。
両袖の鋭くエッジが効いた
タテのライン。
水平線を強調する横連窓の窓。
1969年に竣工の青山タワービルの
2年後・1971年に
ジャパンハウスが竣工しています。



美しいエントランスホールの階段。
(インキングされた図面と写真の一部は、
「JA59 吉村順三・新建築社刊」と
吉村順三作品集からの転載です)
70.吉村順三記念ギャラリー
「ジャパンハウス」その2に続く・・・。