住宅の町医者
日影良孝建築アトリエが
東京の自由が丘から鎌倉に移転して、
早いもので5年半が過ぎました。
その間に少しずつ地元・北鎌倉で
知り合いもできて、
町内会の入会も進められたりして、
すれちがう人とあいさつを
交わすことも増えました。
ましてや日影アトリエ製図室から
徒歩平均10分以内の場所に、
以前設計した
「 北鎌倉の家 」
「 台の家 」
「 大町の家 」が建っていて、
建主さんと偶然会うことも
少なくありません。
このように地元に根づきはじめてきて、
ご近所から家の相談なども
受けるようになってきました。
例えば
戦後すぐに建築された
家の雨漏りの相談・・・。
屋根裏を点検して雨漏りの状況を確認し、
雨漏り箇所とその原因を調べました。
原因は、屋根瓦の割れやズレによるもの。
本来なら下地ごと
全面的に葺きなおすことが理想ですが、
様々な事情から
あと何年使えるかわからない状況であること、
内部空間の造作や意匠が
数寄屋風で意外と良く、
もしかしたら
移築することになるかもしれないこと・・、
などから最低限の予算で
補修することになりました。
工務店と補修方法を検討し、
雨が漏っている箇所の範囲を
下地から葺きなおし、
その他に瓦がずれている範囲を
古い瓦を再利用しながら
直していく方法としました。
瓦屋さんが屋根を改修している様子・・・。
無事、瓦屋根の改修工事が完了しました。
〇 〇 〇
このような貴重な仕事をやらせていただくと、
地元の既存住宅を
改修することの意義を感じます。
広域での新築や改修の仕事も
今まで通り続けていきたいのですが、
「 住宅の町医者 」のように
手の届く場所で家を治していくことも
大切な仕事にしていきたいと
思うようになりました・・・。
by y-hikage
| 2018-06-07 10:39
| 住み継ぎ・住宅の町医者
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