吉村順三記念ギャラリーの応接室には、
過去に展示された図面が
棚の上に置かれていて、
自由に閲覧できます。
吉村順三記念ギャラリーに
行く楽しみのひとつが、
この自由に閲覧できる図面を見ることです。
この新宮殿基本設計図もその中のひとつです。
新宮殿は、
年の初めに天皇皇后両陛下が
手をふってくれる建物です。
新宮殿について
「 JA59 吉村順三 」に
書かれた概要を読んでみます。
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宮中の公的行事のための建物で、約七千坪の床面積を持つ。独立した建物と回廊が中庭を囲むかたちで配置され、全体では数千人の宴にも対応できるように計画されている。庭と内部空間との一体感を求めて主要部分は平屋でつくられている。多くの車を処理するため、参加の人が集う前庭の下には地下駐車場が用意されている。
建物の構造は鉄骨鉄筋コンクリート造であるが、その上に深い軒を持つ鉄骨造の置屋根が架けられていて、日射の熱負荷を軽減するとともに立面に独特の表情をつくり出している。
内部空間は木を基調とし明かり障子や襖が多用されている。
床暖房や床吹出しの空調が主要室に装備されており、吉村の設備に対する強い関心がここにも示されている。
なお実施設計に入った段階で、吉村の設計に対する考えが宮内庁に受け入れられず、吉村は建築家としての立場を明確にするため、設計を辞任するという事件が起きている。
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基本設計といえども、
実施設計なみに
図面の完成度が高いことに驚きます。