58回目の吉村順三ギャラリーに行きました。
・代々木の家(1954)
・千駄ヶ谷の家(1958)
・青山の家(1961)
・池田山の家(1965)
・湘南茅ヶ崎の家(1967)
・笄町の家(1968)
・山中湖の山荘A(1970)
・軽井沢の山荘B(1970)
・田園調布の家A(1970)
・山中湖の山荘B(1974)
・伊豆多賀の家(1977)
・軽井沢の家C(1980)
・唐津の家(1980)
・上北沢の家A(1980)
・インターンボイス軽井沢山荘(1986)
・・・・・
二冊の吉村順三作品集から拾った
これらの住宅の共通するところは、
平面が「雁行」していることです。
平面を雁行させることによって、
例えば南東に開口部を開くことが可能となり、
外部空間との連続性を高めることができます。
意匠的には、
深い軒の出で軒先を連続することができれば
美しい屋根のシルエットが生まれます。
その反面、屋根の形状が複雑になり、
屋根に谷が多くなり
雨仕舞に注意する必要となります。
ところで・・・・
とある7月の週末、
目白の吉村順三記念ギャラリーに行きました。
テーマは第58回「代々木の家」
代々木の家は、平面を雁行させ
南東に大きく開口部を開いています。
開口部を開いているだけではなく、
南側の柱を壁から離して自立させています。
さらに南東の全ての建具は戸袋に収納され、
内部空間が外部空間と完全に
一体になるような仕掛けもしてあります。
代々木の家のもうひとつの特徴は、
床のレベル差です。
リビングやダイニングなど
パブリックな空間に対して
東側の寝室などのプライベートな空間は
1500㎜ほど床レベルを上げています。
こうすることで生活機能を
明確に分けることに成功しています。
この床レベルの変化が外観にも表現されていて、
個人的には桂離宮のような感じに見えました。
東側の寝室のゾーンの床が高くなっています。
北側の車寄せと玄関
南側外観
西側外観
リビングダイニングの
独立柱がとても印象的です。
ダイニングルーム
北側玄関
屋根の薄さに驚きました・・・。
配置図
敷地面積は2300㎡なので、
この図面は敷地の半分ぐらいでしょうか・・・。
平面図
平屋建ての家のように見えますが、
床レベルがあがった寝室の下は、
女中部屋・納戸・ボイラー室・
車庫になっています。
リビング部分の断面図
南面の床が地面とほぼ平坦になっていて、
床下空間がない家なのかと
写真を見て思ったのですが、
北側の地盤面が下がっているので、
きちんと床下空間がありました。
寝室部分の断面図
寝室の床レベルは、
南側の地盤面から
2060㎜上がった高さになっています。
by y-hikage
| 2016-08-10 12:46
| 吉村順三ギャラリー
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