上大崎の家の音楽会・・そのに
おとといの夜、
12年前に完成した
上大崎の家(二期工事)で
小さな音楽会が開かれました。
この音楽会は建主さんの
古希の誕生日をお祝いするために、
建主さんの古くからの友人の
ヴァイオリニストが
企画した音楽会でした。
演奏は弦楽四重奏による
室内楽で四人の演奏家は
有名なオーケストラに
所属するプロのメンバーでした。
上大崎の家は、
二期工事に分けて、
二棟が建てられました。
両方とも鉄筋コンクリートの2階建てで、
一期工事は完全な新築。
二期工事は大正13年に
建築された洋館建築を
新築の鉄筋コンクリートの中に
復元しています。
この大正13年の建築は、
岡田信一郎が
(元内閣総理大臣・鳩山一郎邸や
ニコライ堂の設計で有名・・)
設計した洋館建築でした。
二期工事の設計のコンセプトは、
新しい鉄筋コンクリートに
大正13年の建築の
造作材や建具を再利用し
完璧に復元することでした。
※
ともあれ自分が設計した建築で
音楽が演奏されることは、
僕にとってとても
うれしいことのひとつです。
音楽ホールと呼ぶには
あまりにも小さな部屋でしたが、
演奏もすばらしく、
弦の音のひびきはよかったように思います。
(料理やお酒もおいしくて、
とても楽しい時間でした・・・)
東北の震災後に宮城県の登米市に
「手のひらに太陽の家」を
設計しましたが、
オーケストラのメンバーの方々が
たくさんステッカーを買ってくれて、
建設を援助してくれました。
上大崎の家の建主さんも
建設資金を寄付してくれました。
実は、僕もお世話になりっぱなしです。
ヴァイオリンやヴィオラのケースに
「手のひらに太陽の家」の
ステッカーを貼ってくれています・・・。
竣工時に日影アトリエが製作した
模型も大切に飾ってありました・・・。
一期工事の見上げ。
外壁の板張りもすっかり味がでています。
竣工時の上大崎の家二期工事の室内。
大正13年の建築ほぼそのまま・・・。
大工さんの手で解体され
新しい鉄筋コンクリートの
内部に復元されました。
日影アトリエが解体前に
完璧に実測調査をおこない、
その実測寸法によって
躯体寸法を誤差なく決めていきました。
(造作寸法から躯体寸法を
決定するという逆の流れ・・・。
失敗は許されませんでした・・・。)
一期工事の南側外観。
水平に伸びる深い庇は、
大正建築へのオマージュ・・・。
by y-hikage
| 2015-12-25 14:05
| 上大崎の家
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