
吉村順三設計の奈良国立博物館について

すこし前に、
「国宝建造物日帰り採集」のために
奈良市を訪ねました。
当日の最後の見学は
いつも遠方から見ていただけの、
奈良国立博物館と決めていました。
奈良国立博物館の西新館と東新館は
吉村順三の設計です。
西新館は1973年に建築され、
この建築で吉村順三は
昭和49年度芸術院賞を受賞しています。

設計の特徴ですが、
奈良公園と調和させるため
軒の低い外観としています。
正倉院のように2階を浮かせ
南側の樹林まで見透かせるように
1階をガラス張りとしています。
二階を陳列室・収蔵庫にして
湿気や保安対策や展示作業の利便性を
向上させています。
一見デザインだけのように見えますが、
建物周囲を池で囲んでいるのは、
防犯と鹿よけのためです。

二階の陳列室には緩勾配のスロープで
アプローチするようになっています。
陳列室はトップサイドライトから
自然光をとりいれています。
構造的には二階は独立柱に
よって持ち上げられ、
独立柱と二階の床梁とは
ピンジョイントで接合されある意味で、
双方の階が自立した構造としています。
ローコストを図るためと思われますが、
屋根はプレテンションコンクリートを
乗せ耐候性鋼板で葺き、
外壁は鉄板張りとしています
(コンクリートの壁に見えますが・・・)。



・・・とここまで書きましたが、
見学におとずれた西新館の
二階陳列館は、
残念ながら休館中でした。
(その結果、目的の二階陳列館と
スロープのある1階のホールは
見学できませんでした・・・。)
本や吉村順三記念ギャラリーで受けた
この建築の印象は、
もう少し軽やかだったのですが、
実物の奈良国立博物館は、
重厚感があって、構造的な感じがしました。




西新館に増築された東新館。

ここからは、
吉村順三記念ギャラリ―の展示内容より・・・。
工事中の奈良国立博物館

工事中の二階陳列館

二階陳列館・・・。
この実際の空間を
体験してみたかったのですが、
今回は実現しませんでした。
※ ※ ※

ところで、今回の
奈良市内の建造物見学の最中、
動物の鹿の多さに驚きました・・・。
観光客には海外からのお客様も多く、
あくまでも僕の印象ですが、
建造物や仏像を見ている人よりも、
鹿と遊んでいる人のほうが
多い気がしました。
彼らはとても楽しそうで
ほのぼのしていました。
僕は、それはそれでいいなあと思いました。
世界中では争いばかり起きている現在、
ここでは、みんながほのぼのとしていて・・・。
彼らを上から眺めている奈良の大仏様も、
ほほえんでいるように見えたのでした・・・。
by y-hikage
| 2015-12-12 14:11
| 吉村順三ギャラリー
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