熊野神社長床
7月19日の午前中、
国宝建造物を巡る会の一行は
喜多方市に向かいました。
目的は、
熊野神社長床(くまのじんじゃながとこ)。
この重要文化財をはじめて観たのは、
20年以上も前のことです。
予備知識なし訪れた長床は
イチョウの落葉が舞っていました。
その黄金色の落葉の美しさをこえて、
僕はこの建築に大きな衝撃をうけました。
屋根と柱と床しかない建築。
昔、壁があった跡もなく、
当初から屋根と柱だけの建築。
まるでパルテノン神殿のようだと思いました。
建築は風雨から健康と人命を守るもの
であると学んできたものにとって
反建築的に写りました。
と同時に吹きさらしに林立する列柱が
いかにも抽象的で
美しい空間をうみだしていました。
建立は鎌倉時代初期とされています。
長床(ながとこ)とは、
修験にかかわる寺社の中の
拝殿や礼堂にあたる横長の建物をしめします。
修験に来た者が籠ったり、
加持祈祷を行ったりする場所です。
今回の福島の建築ツアーで
どうしても再訪してみたかった建物でした。
やはり素晴らしい建築でした。
熊野神社長床を見学したあと、
一行は会津若松市に向かいました。
目的は飯盛山に建つ重要文化財のさざえ堂。
途中、湯川村の
重要文化財 勝常寺薬師堂を見学しました。
勝常寺薬師堂
会津若松市のさざえ堂。
1796年の建立。
建築に関する本によく登場する建築なので、
よくも悪くも一目みておきたかった建築でした。
奇抜な意匠に目をそむけたくなりましたが、
二重らせんの斜路は想像したよりも
自然に登って下りてくることができたことに
設計のうまさを感じました。
でも、やはり奇抜すぎる意匠は
最後まで理解できませんでした・・・。
by y-hikage
| 2015-08-09 12:48
| 建築巡礼
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