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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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建築家が選んだ建築家展7・「風景のある住宅」をふりかえります。

12月1日で無事終了した建築家が選んだ建築家展7・

「風景のある住宅」をふりかえってみます。

展示会場は銀座8丁目にある国産ブラインドで有名な

タチカワのショールームの地下1階のタチカワ銀座スペース。

企画はAtoA・projectの

建築家三名、上野タケシさん、来馬輝順さん、山本覚さんです。

この七回目の展覧会で、AtoA・projectの三名が選んだ四名の建築家は、

伊藤昭博さん、加藤誠洋さん、森大樹さん、日影良孝でした。

僕が展示したのは、

上野タケシさんが選んでくれた三つの作品の中の「循環の家」。

展示物をあらためて製作する時間がなかったので

設計時に書いたスケッチと図面と模型などを中心に紹介しました。

写真は建築写真家の畑亮さんの写真を中心に

僕の写真を加えたものとしました。

設計業務が忙しいので、果たしてこの展覧会に参加しても大丈夫かどうか

ずいぶん迷いましたが、この展覧会のためにパネルを作ることが、

設計当時のことを振り返ることにつながり

結果的に良かったのではないかと思いました。
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循環の家を設計している時に描いた

コンセプトのスケッチや立面図や文章です。
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模型の台は、杉の間伐材で作られた既製品の「組手什(くでじゅう)」を

組み合わせたものにしました。

無垢の杉の木を台とすることで日影アトリエの設計姿勢を表現したもです。

「組手什」は「NPO法人日本の森バイオマスネットワーク」で販売しています。
⇒(http://jfbn.org/)
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模型は、

循環の家が完成した時に製作した竣工模型と軸組模型を展示しました。
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驚くことに僕の故郷の岩手県軽米町の在京軽米人も駆けつけてくれました。
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この展覧会の参加メンバーには、

それぞれオリジナルのスケッチをポストカードにすることを命じられました。

僕は、循環の家の架構モデルをポストカードにしました。


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最後にパネルに張り付けた循環の家の

設計当時のコンセプトを紹介いたします。

やや長文なのが問題ですが・・・・。

    ※


「循環の家」の設計コンセプト

1.たおやかな家

2.時間という循環

循環とは「時間」。朝がきて昼になり夜になりまた朝が来る。

この当たりまえのことの繰り返し。人だけではなく鳥や虫にも、

地球全体で同じように繰り返される。

当たり前のこととのようだが

よくよく考えてみるとたいへんなことだ。

3.日常をみつめる

この時間の流れを家に置き換えてみると、

人は家の中で具体的な行為を朝から朝までおこなう

その生活の事実をしっかりとイメージして設計を

おこなう必要があるだろう。

4.時間の流れに耐える

そしてまた風雪や災害だけではなく

「時間」の流れに耐えていかなくてはならない。

そのためには「普遍的」なかたちというと少し大げさだが、

風景に調和し、やさしく人間を包み込むような家が

いいのではないかと思う。

5.居場所を創る

家が人を窮屈にしてしまうと、家が時間の流れに耐えられない。

心地良い居場所を創ることが大切だ。

「ああここに居るととても気持ちがいい」って。

6.空間の秩序を骨格にあたえる

風景と生活のありようと、そして居場所から生まれる空間に

「凛とした秩序」を与え、それが構造に昇華していけないか。

7.空に近く、土に近く

美しい山並みの風景という空を楽しむために2階をリビングに、

地面の植物や菜園を楽しむために農家のような間取りを1階に、

京都の町家の通り庭のような土間を設け農作業に便利なように。

8.循環する家

土に還る自然素材で家をつくる。

木や太陽の恵みを生かす(太陽光発電、薪ストーブ、ペレットボイラー)。

雨水や生活の水が循環する(パーマカルチャー)。


循環の家

企画・施工:アトリエDEF
設計監理:日影良孝建築アトリエ 日影良孝
構造検討:山辺構造設計事務所
パーマカルチャー設計施工:ソイルデザイン 四井真治
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by y-hikage | 2013-12-06 16:21 | 循環の家 | Comments(0)
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