「タブの木のある家」を日影アトリエのホームページに掲載することができましたが、
設計内容や工事内容をお伝えするためには、まだまだ不十分な内容です。
そこで「日日日影新聞」でも「タブの木のある家」を振り返ってみることにいたします。
たしか「タブの木のある家」の現場が始まったのは、東日本大震災直前の2月終わり頃のことでしたから、
およそ一年半前ということになります。
2011年3月11日以後から、宮城を行ったり来たりすることになったために、
この「タブの木の家」の振り返りは、僕にとってもいい機会かもしれません。
まずは、以前にも紹介しましたが、工事風景をもう一度思い出してみようかと思います。
既存の内部の解体工事が進行している様子です。
2階の天井もはがされ小屋組みが現れています。
水平に架けられている小屋梁は、米松です。
建て主のご主人はこの梁の素材感と組み方がどうしても気に入りません。
ご主人の強い希望で、新しい赤松の梁に架け替えられることになります。梁の架け替えは、簡単なことではありません。
屋根を一旦撤去する必要があるのです。
改修前は、1階が納戸だった天井を撤去し、2階の床を抜きました。
1階は、改修後は、納戸が茶の間にかわり、吹き抜けを通して2階の居間と空間を連続します。
基本的な構造の軸線は変更しておりませんが、新しい基礎を加える部分も若干ありました。
玄関ポーチの布基礎の連続。南側増築部分の基礎の新設。内部の基礎の補強などです。
当然のことですが、日影アトリエによる配筋検査を行いました。改修といえども新築と同様に大切な設計監理の過程です。
全てではありませんが外壁がはがされました。
小屋梁の撤去新設のために、屋根が全面撤去され、家が文字通り、「空と一体」となりました。
この様子を見たご主人のすがすがしい表情を忘れることはできません。
吹き抜け部と増築部の軸組も撤去新設され構造補強をおこないました。
屋根のガラ廃材が撤去されきれいな現場になっています。
2階の中まわりの柱は、桜などの広葉樹に変えられ、赤松の梁が架けられています。
屋根下地の野地板が張られました。
耐震性を向上させるために、斜めに張っています。
野地板の上には通気層を設け、夏の暑さ対策も考慮しています。
簡単ですが、工事の過程を振り返ってみました。
次回からは、竣工した様子を、詳細に振り返ってみることにします。