柏崎市荻ノ島集落主催:茅葺き古民家保存プロジェクト
第1回茅葺き古民家ワークショップに参加してきました(その3)。
築後19年経過する「荻の家」と「島の家」を何年ぶりかで今回訪れました。
もしかしたら十何年ぶりのことかもしれません。
高柳の隣町を故郷とする大工さんに、たびたび高柳町の茅葺き民家は年々傷みがひどくなってきている。
という話を聞いており、内心現状の姿を見るのが不安でした。
たしかに高齢化で空き家となり、茅葺き民家の数は減っているように見えました。
ただ想像していたよりも、以前のままの町の姿だったことがとても嬉しかったのです。
そしてなによりも、感動したのは、僕が設計した荻ノ島集落の「荻の家」と「島の家」がとても元気だったことです。
地域の人たちの手入れが良かったことがまず第一の元気の要素であることが伝わってきました。
(門井地区の設計した「おやけ」・「いいもち」もとても元気でした)
20年前ぐらいの設計の最も重要にしたコンセプトは、
「時がたてばたつほどに風景になじむこと。まるで以前から建っていたように・・。」
そのコンセプトのように、二棟の家はしっかりとこの場所に根付いていました。
それがとても嬉しかった。
何人かの人に言われました。
「この家は、古い民家を移築してきたものだと思った」
この二棟が集落の絵ハガキの中心に描かれているのを何枚か見ることも、
嬉しさのひとつでした。
明治期の集落に19年前に仲間入りして、欠かせない家になっている。
建築をやってきてよかったと思うことができた三日間でした。
さて、
連載の最後の章、残りの集落の写真を掲載して終わりにしようと思います。
水田の向こうに見える「荻の家」と「島の家」
朝日を受ける茅葺き民家。「かぎまやの中門造り」
点在する茅葺き民家。
この茅葺き民家も実測対象の家でした。
集落の民家は同じようで、微妙に異なります。
集落で発生した明治42年の大火によって残った家、建て替えた家でも、家のつくりが異なるようです。
中門の形、屋根の勾配、棟の形状も微妙に異なります。
豪雪のために、外観はみすぼらしくも見えますが、内部に入ると驚くほどしっかりしている家も少なくありません。
今回B班が調査した民家です。
この報告は、また後日記事にしようと思っております。
その民家の小屋裏(この地域では「ソラ」とよんでいます)。
荻ノ島集落の朝の光。
環状集落の「ナカミチ」の水路。
山から自然に流れ出るこの水路がこの環状集落の生命。