昨夜、六本木のサントリーホールでの「新日本フィルハーモニー交響楽団」のコンサートに行くことができました。
演奏者の一人であり、僕の友人でもあるバイオリニストの深谷まりさんからのお誘いです(黄緑色の服を着られている方)。
そして以前設計した「上大崎の家」の建て主の塚田さんも一緒でした。
指揮者は、ダニエル・ハーディングさん。曲目はワーグナーの歌劇「タイホイザー」序曲ヴェヌスべルグの音楽とーとエルガーの交響曲第2番変ホ長調です。
とても素晴らしい演奏でした。クラシックはあまり詳しくありませんが、とても好きです。流れるような繊細なメロディーに身体中が包まれて、とても気持ちいい空間を味わうことができました。
演奏が終わり演奏者の出口で深谷さんを待っている間、塚田さんから聞いて本当に驚きました。
昨年2011年3月11日の夜、すみだトリフォニーホールで予定通り演奏会を開いたということを聞いて・・・。
つまり大地震当日、まだ激しい余震が続く中、すべて交通機関がストップした状況で、会場に集まることができたたった100人ほどの聴衆のために演奏会を開いたというのです。
曲目は「マーラー・交響曲第5番」。
終演後,帰宅の途につけなかった、団員と聴衆はホールで一夜を過ごし、翌日の演奏会は中止になったとのことでした。
この事実だけでも、僕にとってめまいのするほどの事実なのですが、放射能の被害を恐れて、日本を離れる日本人以外の人々が多い中で、ダニエル・ハーディングさんは、およそ三カ月後の6月20日に3月12日の代替コンサートとチャリティーコンサートを開いたのでした。
ダニエル・ハーディングさんのその素晴らしい行動は、僕に強い感動を与えました。そして昨夜のあの優しい旋律は、彼の心の優しさから生まれてくるものだとわかりました。
さて、塚田さんと二人で、深谷まりさんたちが出口から出てくるのを待っていました。
深谷まりさんは、僕のブログやフェイスブックで「手のひらに太陽の家」の活動をよく知っていました。
ある日、ステッカーを購入することで少しでもプロジェクトを支援したいという連絡が僕のところにありました。
僕は、深谷さん本人が数枚、購入してくれるものだと(それでもありがたいのですが・・)思っていたのですが、共に演奏する仲間の人たちにも声をかけていただき、あっという間に、「深谷まりさんステッカーの輪」が大きく広がっていったようでした。
昨夜、僕をコンサートに誘っていただいたのは、いい音楽を聴いて疲れをいやしてほしいとのことでした(ありがとうございます!)。そしてステッカーを買っていただいた仲間を紹介したいとのこと・・・。
僕は、ステッカーのお礼に、深谷さんには、木のステッカーを、皆様には、「手のひらに太陽の家」のポストカードとチラシを差し上げました。
なんと!バイオリンのケースにステッカーが貼られています。とてもうれしかったです。
夢中で、「手のひらに太陽の家」のことを説明する僕が見えます。
近くのお店で、お疲れ様の乾杯!右に座るのが「上大崎の家」の建て主の塚田さんです。
「上大崎の家」の写真はまた後日紹介いたします。
深谷さんが持っているのは、深谷さんがステッカーの注文を受けたのを記録している「ステッカー注文帖」です。
最後に記念撮影です。
撮影:塚田晴子さん。ちゃんとぶれずに撮影できてますよ・・・!
出口から出てきてタクシーに乗ろうとするダニエル・ハーディングさんに、
塚田さんや深谷さんが、何か話してきて!!と進めるものですから、日本語で、ポストカードを差し出し、「手にひらに太陽の家」のことを説明しました。
そうしましたら、サインをしていただきました。
そして握手をしていただきました。
柔らかい手でした。
遠く3階の席から見えた手の動きそのものでした。