「タブの木のある家」は、改修工事なので大きく外観を変えることありませんでした。外観だけではなく、基本的な構造の架構は変更していません。
しかしながら現況と改修後の空間の変化を建て主に説明するためには、今回は特に模型が必要でした。
2次元のスケッチでは、空間の流動性や動きながらの微妙な視野からの意匠を説明することはできません。
よって、作業的に無理のない範囲で内観模型を作ることにしました(実は、ほとんどの設計で作っているのですが・・・)。
今回の記事では、外観のみの模型写真を紹介します。
これらの模型写真で注目していただきたいのは、一枚目から三枚目の模型です。
北側の屋根の軒桁が現況よりも下がっています(前回の既存の状態を説明している連載記事参照)。
実は工事着工後すぐに、北側斜線制限に違反していることが、わかり急きょ設計変更をおこなった結果が模型に表れています。
もうひとつ、玄関まわりの意匠で大きく変えたところがあります。
以前になかった玄関ポーチの深い庇です。
改修のコンセプトである日本的な空間。
その導入口である玄関には、水平線が印象的な軽やかな深い庇がふさわしいと思いました。
模型上で作る軒が深い庇は簡単ですが、現場の大工さんは大変です。
模型では、敷地全体が俯瞰できますが、現場で外観が見えるところは玄関前の一部です。袋小路の突き当りに見える深い屋根。が、この家の大切な場面として考えました。
最後の模型写真は、南側の増築後の形です。内部空間を優先した改修が外部に表れたかたちです。