これまで6月23日から8回に分けて「タブの木のある家」の現況と改修方針を説明させて頂きましたが、今回は現況説明の最終回です。
1993年に建築された、およそ築20年の木造住宅。一般的に見て、傷みもほとんどなく、まだまだこのままで住める状態なのに、どうして改修するのか。という疑問が最初にありました。
還暦を過ぎたばかりのご主人は、この家になんとなく不満を感じながら生活してきたように感じられました。
これから家に居ることが多くなるにつれて(と言っても、今でも、西欧や日本中を飛び回ってますが・・)、様々な一流な文化を経験しながら、本物の家に住みたいという思いが強くなってきたのではないかと思いました。
そして僕は、ご主人の根底に流れているイメージは、日本の文化ではないかと打ち合わせを重ねながら、強く思うようになりました。
改修前の2階の和室を居間・食堂から見ます。この間仕切りは、すべて撤去され大きな空間に生まれ変わります。
居間・食堂から階段室を見ます。
階段室の右手に見えるドアは2階の便所のドア。プライバシーに問題がある便所の位置。
階段室の見下げ。この階段もすべて撤去され、無垢の階段でつくり変えられます。
さて次回からの「タブの木のある家」の連載は、模型や図面や解体中の写真などをまじえて、説明していこうと思います。