
浄土真宗寺院本堂の工事は内陣も脇棚の建具を残し完了しました。節が無い白木のヒノキと白い漆喰塗りの壁によって、清らかな本堂がうまれました。

古代からヒノキは住む者・造る者から信仰され愛されてきました。皮膚感覚の清らかさ、加工性の良さ、耐久性など、時間を超越して美しさを保ちます。相対する杉は時間や風雪に馴染みながら美しく枯れていきます。その杉の「真・行・草」の「草」の風合いは、おそらく日本の美しさの典型だと思います。一方でヒノキの「永遠なる清らかさ」も日本の時間感覚の基礎としてなくてはならい存在なのだろうと、今回の浄土真宗本堂の設計で改めて思いました。

社寺には好んでケヤキが使われます。その理由は、古い農家の大黒柱などと同様に、貴重であるケヤキを使用することによっての象徴性を表現しようする理由なのかもしれません。
内陣の床はケヤキとしています。特筆すべきは8000㎜の長尺のケヤキを内陣と外陣の仕切りの框に使用していることです。直井さんの苦労が伝わってきます。
清らかなヒノキと意思の強いケヤキ。
本物の木には生命が宿っています。本堂の中に居るとそのエネルギーが伝わってきます。

職人の手によって、無垢な素材で、簡素で、清らかな本堂の完成が間近です。