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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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福井のやまあいでの民家の古材調査(8)

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あまりに静かなので早くに目が覚めると南に面する大きな隙間風だらけのアルミサッシの窓から、月がくもの空を明るく照らしていました。
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古材調査の前のわずかな散歩の時間。「建築には必ず意味がある」ということを、この佇まいから学びました。雪の重みから軒の出を守る方杖。森林資源が豊富な場所であるのに垂木の部材寸法が細いのは、木が貴重であることを知っているからこそ。東の窓が極端に小さいのは雪が室内になだれ込むのを防ぐため(南側は道路沿いであるため除雪がおこなわれることを前提に窓が大きくとられている)。積雪から外壁の土壁を守るために張られた波板の鉄板。かつては板張りで左官を守っていたはずが簡単で安価な波板に変わってしまった。
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実測調査の作業を開始。
「との十」。
明治二十年。棟梁はなにを思い、「との十」と書いたのだろうか。筆の流れが深くて明るい。
by y-hikage | 2011-02-27 22:27 | 民家の調査 | Comments(0)
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