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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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カテゴリ:吉村順三ギャラリー( 44 )

第62回・吉村ギャラリー・小さな建築展に行きました。


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とある3月の週末、

62回・吉村順三記念ギャラリー

小さな建築展に行きました。

テーマは、「世田谷区深沢に建つ外国人の家」。


〇 〇〇 〇


この家は、1958年に東京・世田谷区深沢に建築された2階建ての家です。

主要構造部を鉄筋コンクリート造として、水・火・音に関わる仕切壁以外は木造で設計されています。

庭に面したデン・居間・食堂は、3室別々に使えますが繋いで一部屋にすることができる自由な空間です。

住い手は、外国人で夫妻と子供二人の四人家族とお手伝い三人です。

(吉村ギャラリーの展覧会の葉書より・・・)


〇〇 〇 〇


個人的に印象に残った部分ですが、

屋根の断熱のために

鉄筋コンクリートの屋根の上に

木造屋根をのせた

「置き屋根形式」としているところでした。

日本では、

昔から土蔵などの屋根に用いられてきた手法です。

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吉村順三ギャラリーの応接室。
とても居心地のいい空間です。
この応接室には、
吉村順三が設計してきた
実施設計図などが自由に閲覧できます。


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応接室の開口部の詳細図・・・。


〇 〇〇 〇


次回のギャラリーは、第63回「深沢の家」です。
56日~528日の間の土曜日と日曜日です。


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by y-hikage | 2017-04-26 10:25 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

吉村順三のホテルフジタ

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今年の128日、


住宅医スクール・大阪の講義に出席するため

京都の三条駅に行きました。

そういえば二条大橋のたもとに

吉村順三が設計した「ホテルフジタ」が

あったことを思い出し、

時間に余裕があったこともあって

外観だけでももう一度見てみようと思い

鴨川沿いに歩いて行ったのですが

ホテルフジタはありませんでした。

かわりにザ・リッツ・カールトンという

高級ホテルが建っていました。

9年前に

鴨川の対岸から見たホテルフジタがない!

僕はとても複雑な心境になりながら、

電車で住宅医スクール・大阪に向かいました。

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ホテルフジタの跡地に建った、

ザ・リッツ・カールトンホテル

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吉村順三が設計したホテルに

宿泊してみたいと思い、

ホテルフジタに宿泊したのは

9年前のことでした。

その日に撮影した

外観と内観の写真がありますので、

日日日影新聞(にちにちひかげしんぶん)の

記事で紹介いたします。

全部で36枚あります。

ホテルフジタは、

1962年に建築されたホテルです。

鴨川の風景に調和するように

横のラインを強調しています。

各階に設けられた水平の庇は

二方向避難の避難通路を兼ねています。

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吉村順三の建築は、

いつも階段が特徴的です。


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宿泊室は、


引き分けの障子が入った窓があり、

とても居心地のいい空間でした。

浴室の浴槽の縁に引き戸があり、

引き戸がカーテンのかわりに

なっているのには驚きました。



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by y-hikage | 2017-02-10 14:56 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

第61回目の吉村順三ギャラリーでのおどろき。

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とある週末の土曜日の午後、


61回目の吉村順三記念ギャラリーに行きました。

テーマは

「ニューヨーク郊外のゲストハウス」でした。

今回の展覧会は、

僕にとってかなりのレベルで

価値の高いものでした・・・。

ギャラリーに入って写真を見るなり、

僕は大工の中村外二の気配を感じました。

そこでギャラリーの方に

「この施工は中村外二ですか?」と聞いたところ

「そうです!」と答えてくれました。

大の中村外二ファンの僕としては、

ひそかに心の中は舞いあがり、

目まいをおこしていました。

〇〇 〇  〇〇

さて、この建築を説明してくれる

ポストカードの文章を読んでみます。

〇 〇 〇〇 〇

ニューヨーク郊外の広大な敷地内に建つ木造平屋建て瓦葺き屋根の独立した、14畳に6畳の次の間付の茶室として設計されたゲストハウスです。前に池を配し、茶室は池の中に浮いているような設計です。回りの庭は、純日本風です。

〇〇〇  〇 〇  〇

展示を見た後に電車の中で

ゲストハウスのことを考えていたら、

大切な質問をすることを忘れてしまいました。

本当に大切な質問でした。

このゲストハウスの建主は誰だろう・・・?

ゲストハウスの敷地は

「ニューヨーク郊外の広大な敷地内に建つ・・・」と

説明に書かれています。

あくまでも僕の推測ですが

(間違っていたらすいません・・・)、

このゲストハウスの建主は、

アメリカの大富豪のロックフェラーではないかと・・・。

なぜなら吉村順三の作品集に掲載されている、

ポカンティコヒルの家(ロックフェラー邸)の

解説の前段にも、

「この住宅はニューヨーク近郊の広大な敷地に、眺望のよい一画を塀で囲って落ち着いた住まいの環境を作り、その中に建てられている。」

と書かれているのです。

このロックフェラー邸の施工も中村外二。

ゲストハウスの完成は1962年。

ロックフェラー邸の完成は1974年。

この流れからすると、

ロックフェラーは自邸の建築の前に

吉村順三にゲストハウスとなる茶室の設計を

依頼していたことになります。

あくまでも僕の推測の域を出ませんが、

おそらくそうあってほしいと思う僕がいます・・。

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これらの写真は、

ギャラリーのパネルを

ギャラリー内で撮影したものです。


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by y-hikage | 2017-02-01 11:35 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

吉村順三ギャラリーに軸組模型が展示されていました。

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60回目の吉村順三記念ギャラリーでは、

応接室に「浜田山の家」の軸組模型が

展示されていました。

縮尺五十分の一の精巧な軸組模型は、

2005年に東京芸大で開催された

吉村順三建築展で展示されたものです。

浜田山の家は、

とてもシンプルな片流れの屋根の家で、

小屋組の架構も単純で明快です。

構造的にみて

吉村順三の作品の中で好きな住宅のひとつです。

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この記事を書いていて思ったのですが、

日影アトリエのパソコンには、

吉村順三記念ギャラリーなどで

撮影した吉村作品の軸組模型が

眠っています。

こんど時間があるときに

それらの軸組模型を集めてみようと思います。

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by y-hikage | 2016-11-29 11:02 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

第60回目の吉村順三ギャラリーに行きました。

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11月のとある土曜日の午後、

吉村順三記念ギャラリーに行きました。

テーマは、

小さな建築展・第60回

「 番町の家 」・・・

ギャラリーのお知らせのはがきには、

番町の家についてこう書かれています。

○○ ○ ○

千代田区麹町二番町に、1950年に竣工した家です。木造平屋建てで、スティールサッシを建て込んだ開放的な設計です。家族構成は、夫妻に息子一人の三人家族に、メイドに運転手の5人です。屋根は、瓦棒葺きで緩い勾配です。吉村の設計の遍歴が見られるスケッチがあります。

○○ ○ ○


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実施された平面図

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設計の遍歴が見られる吉村順三のスケッチ

実施のプランと

吉村順三のスケッチのちがいを

比べてみるのが楽しいです・・・。

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今回のテーマとは関係ないのですが、

吉村順三の「湘南秋谷の家」のスケッチ

スケッチのタッチは、番町の家と同じです。

(吉村順三のディテールの表紙より)

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by y-hikage | 2016-11-28 11:16 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

第59回・吉村順三記念ギャラリーに行きました。

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先週の土曜日、

吉村順三記念ギャラリーに行きました。

テーマは、第59回「熱海自然卿の家」。

熱海の30度を超える急傾斜崖に

寄り添うように建つ家です。

北側道路の同レベルに駐車スペースを設け、

その駐車スペースが

家の屋根の役目もはたしています。

玄関は道路沿いの擁壁に沿って

東に降りていった見返りの場所です。

玄関から居間・食堂・台所に一歩入ると、

大きなはめ殺しのガラス越しに

熱海の海が一面に広がります。

断面的に三分の一ぐらいが

片持ちで床が宙に浮いているので

より浮遊感が感じられます

(行ったことがないので推測ですが・・・)。

急傾斜という困難な設計条件ですが、

このような場所で設計してみたくなると

思わせるような熱海の家でした・・・。

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屋根の上の駐車スペース。

駐車スペースからも熱海の海が一望できます。

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東側外観。

片流れの屋根でリビングの床が

片持ちでせり出しているのがわかります。

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道路から降りてくる階段。

いつも思うのですが、

吉村順三の階段のデザインは、

どれもとても上手です。

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キッチンからリビングを見ます。

料理をしながら

熱海の海と暖炉の火を

眺めながら料理ができます。

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ガラス越しに眺める熱海の海。

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八畳の和室。

図面と写真の食い違いがありますが、

小さな床の間と丸削りの床柱が

何気なくて好みです。

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寝室。

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屋上階平面図。

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リビング階平面図。

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矩計図その1。

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矩計図その2。

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階段詳細図。

吉村ギャラリーに来ると

階段詳細図を見るのが好きです。

もし将来、階段だけの特集があれば

とてもうれしいと思います。

贅沢な話ですが・・・・。

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by y-hikage | 2016-09-30 14:53 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

吉村順三設計の湘南茅ヶ崎の家に行きました。

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湘南茅ヶ崎の家について、

完成して間もないころのことを、

建主の寺田朝子氏が書いています。

その文章を一部引用してみます・・・。



この場所は、茅ヶ崎の駅から山のほうへ車で10分ほど入った眺望のよいところで、2階の居間からだと茅ヶ崎の海岸や菊竹さんの設計された「パシフィックホテル茅ヶ崎」を見ることができます。
吉村先生が土地を見に来られて、最初にお考えになったことは、盛り土をして生活スペースを2階に上げることだったようです。
2階のテラスからそのまま庭に出られるように土を盛って、また、それがわからないぐらい自然の高さなんです。盛り土もほとんど、コンクリートの基礎を打つ時に掘った土を寄せ集めてこれだけ盛っているんです。
2階の玄関へのアプローチの階段も、なだらかにカーブして自然ですね。1階からも出入りできますが、これがまた便利です。車ごとガレージに入って、ガレージの扉は自動ですから、そこからすぐ2階へ上がることができます。雨の日も傘が必要ないんです。これはもうアメリカ風の家ですね。普段の出入りは1階のガレージを利用していますが、これも土を盛ったおかげでできたんですね。
1階にはゴルフ好きの主人のお客様にくつろいでいただけるホールと、宿泊室を兼ねた和室があります。ホールの床は大谷石張りで、ゴルフ靴をはいたまま自由に出入りできます。また、小さな子どもたちが外で遊んで汚れた手足で入って来ることもでき、食べものなどをこぼしても気にならないスペースです。
和室には小さな水屋が付いていてたまにお茶をたてたり、邦楽を勉強したりしています。孫に女の子がいますから、そこで作法を教えてあげるんです。畳に座らせてお茶をだしてあげたり、軸を掛けたり、また正月には着物を着せてお膳を出してあげたりしましてね。北側の坪庭が座敷に座った時の目の高さで、とてもきれいに見えるんですよ。隣家の塀が見えないように、開口部を低く押えているんですね。

(別冊新建築 日本現代建築家シリーズ7

 吉村順三 1983年刊・・・より)

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湘南茅ヶ崎の家の平面図。

下図が道路に面する1階平面図。

上図が2階平面図。

構造は1階がRC造で2階が木造。



湘南茅ヶ崎の家の竣工は1967年なので

築後49年経過しています。

(元)建主の寺田氏が書かれていたころとは

ずいぶん、周辺環境が変わり、

いろいろなものに遮られて、

現在では茅ヶ崎の海岸や

菊竹さんの設計された

「パシフィックホテル茅ヶ崎」を

見ることはできません。

(あの珍しいかたちをした

「パシフィックホテル茅ヶ崎」は

もうとっくの昔に壊されてしましましたが・・・)

しかしその反面、

見えなくなった良さのようなものが

新たに生まれてきているようにも思います。

庭の緑も生い茂って、

この場所で「完結」された

「気持ちいい場所」に・・・・。

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今回、湘南茅ヶ崎の家を見学できたのは、

7月のなかばのことでした。

住宅医スクールで知り合った

㈱ライフデザインラボラトリーの

稲垣裕行さんから見学のお誘いがあり

幸運にも見学の機会に恵まれました。

実は今回の見学は3回目です。

名作は何度見ても学ぶところあり。

しかも個人住宅は

めったに見学できる機会はありません・・・。

今回の見学は

2階の生活スペースと庭が中心でした。

(元)建主の寺田氏が書かれている1階の和室は

見学することはできませんでしたが、

この和室が本当に素晴らしい空間で、

またいつか記事にしてみようと思います

(過去に記事にしたことが

あるように思いますが・・・)。

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階段を回り込みながら入っていく2階の玄関。

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リビングに面する南の庭。

この庭が盛り土をしたところ・・・。

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リビングに面する南の庭を

おりてくると池があります。

人工の小さな滝があって池に流れ、

その流れた水はせせらぎに変わり、

藤棚の下まで流れていくとのこと・・・。

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リビングの障子。

通称「吉村障子」とよばれる障子。

今回も実測しましたが、

組子桟の見付巾は14㎜で、

ひと枡の大きさは420㎜×270㎜でした。

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障子を開放した現在のリビング。

湘南茅ヶ崎の家は

2008年に耐震改修など行われ、

別のご家族によって、

愛情たっぷりに住まわれています。

置かれている家具も

当時の家具や照明が使用されつづけ、

新しく購入された家具も

吉村順三のデザインのものが多数あるようです。

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ダイニングからリビングを見ます。

食卓のテーブルも

テーブル上の照明も当時のもの。

ところで

湘南茅ヶ崎の家の最大の特徴は、

天井にあり!・・と僕は思っています。

ダイニングの天井の高さは2280㎜で、

その天井がリビングまで延長され

(リビングの天井の高さは2520㎜)、

そのまま平坦に軒裏までつながっていきます。

この天井の水平線が

湘南の海岸線の景色を

切り取っていたはずです・・・。

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著名な家具もさりげなく置かれています。

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トイレの入り口。

壁と一体化してドアかどうかわかりません。

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中庭。

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中廊下。

幅木の形状など、

隅から隅まで考え抜かれた設計です。

当初の施工は竹中工務店です・・・。

竹中工務店による

原寸施工図集も見せていただきました。

すごい図面でした・・・。



世代や家族の境界を超えてまでも

住み継がれる家・・・

湘南茅ヶ崎の家・・・。

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by y-hikage | 2016-08-12 12:10 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

58回目の吉村順三ギャラリーに行きました。

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・代々木の家(1954)

・千駄ヶ谷の家(1958)

・青山の家(1961)

・池田山の家(1965)

・湘南茅ヶ崎の家(1967)

・笄町の家(1968)

・山中湖の山荘A(1970)

・軽井沢の山荘B(1970)

・田園調布の家A(1970)

・山中湖の山荘B(1974)

・伊豆多賀の家(1977)

・軽井沢の家C(1980)

・唐津の家(1980)

・上北沢の家A(1980)

・インターンボイス軽井沢山荘(1986)

・・・・・

二冊の吉村順三作品集から拾った

これらの住宅の共通するところは、

平面が「雁行」していることです。

平面を雁行させることによって、

例えば南東に開口部を開くことが可能となり、

外部空間との連続性を高めることができます。

意匠的には、

深い軒の出で軒先を連続することができれば

美しい屋根のシルエットが生まれます。

その反面、屋根の形状が複雑になり、

屋根に谷が多くなり

雨仕舞に注意する必要となります。

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ところで・・・・

とある7月の週末、

目白の吉村順三記念ギャラリーに行きました。

テーマは第58回「代々木の家」

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代々木の家は、平面を雁行させ

南東に大きく開口部を開いています。

開口部を開いているだけではなく、

南側の柱を壁から離して自立させています。

さらに南東の全ての建具は戸袋に収納され、

内部空間が外部空間と完全に

一体になるような仕掛けもしてあります。

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代々木の家のもうひとつの特徴は、

床のレベル差です。

リビングやダイニングなど

パブリックな空間に対して

東側の寝室などのプライベートな空間は

1500㎜ほど床レベルを上げています。

こうすることで生活機能を

明確に分けることに成功しています。

この床レベルの変化が外観にも表現されていて、

個人的には桂離宮のような感じに見えました。

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東側の寝室のゾーンの床が高くなっています。

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北側の車寄せと玄関

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南側外観

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西側外観

リビングダイニングの

独立柱がとても印象的です。

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ダイニングルーム

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北側玄関

屋根の薄さに驚きました・・・。

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配置図

敷地面積は2300㎡なので、

この図面は敷地の半分ぐらいでしょうか・・・。

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平面図

平屋建ての家のように見えますが、

床レベルがあがった寝室の下は、

女中部屋・納戸・ボイラー室・

車庫になっています。

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リビング部分の断面図

南面の床が地面とほぼ平坦になっていて、

床下空間がない家なのかと

写真を見て思ったのですが、

北側の地盤面が下がっているので、

きちんと床下空間がありました。

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寝室部分の断面図

寝室の床レベルは、

南側の地盤面から

2060㎜上がった高さになっています。

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by y-hikage | 2016-08-10 12:46 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

オリジナルの吉村順三図面集・・・。

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いつまでも横積みになっていた

吉村順三記念ギャラリーで

販売している図面集を製本しました。

今までに購入した図面集は22回分ありました。

製本した冊数は全部で4冊になりました。

文字通り、オリジナルの

吉村順三図面集になりました。

これからも増えていくことでしょう・・・。


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製本前の横積みの図面集。

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糊付け製本したら、

カタログを乗せて圧縮して乾かします。

乾いたら和紙で包みます。

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製図板の前の本棚に

図面集4巻を立て掛けました。

手書きのタイトルをもう少し丁寧に

書くべきだったと反省しました。

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よく聴くCDは、

製図板の上に置いてあります。

その次によく聴くCDは、

ミニキッチンの上の

水切り棚に置いてあります。

あまり聴かないCDは、

靴が入っていない

下駄箱本棚の中に置いてあります。

製図室を借りたときに、

突貫工事で造った本棚も、

もはやみっともないので、

はやく作り直したいのですが・・・。

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吉村順三図面集4巻は

全て手書きの図面です。

左上から反時計回りに、

文珠荘⇒自由が丘の家⇒

高樹町の家⇒代々木西原の家。

高樹町の家の図面は、

たぶん奥村まことさんが書いた図面。

まことさんの人柄がでている優しい図面です。

文珠荘は、ぜひ宿泊してみたい旅館です・・・。

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by y-hikage | 2016-06-28 17:42 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)

第57回・吉村順三記念ギャラリーに行きました。

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とある5月の週末、

目白の吉村順三記念ギャラリーに行きました。

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テーマは、第57回「九重山の家」

「九重山の家」の建築概要は、

ギャラリーのお知らせ葉書きに

わかりやすく要約されていますので、

そのまま引用してみます。



大分県の九重連山の麓に広がる大自然の中に1960年に建てられた温泉のある厚生施設。

地下1階・地上2階の建屋で、8本の柱で支えられた屋上階の梁から2階の床(500㎡余)を吊って2階床梁を極端に小さくし、

さらに2階床梁を逆梁にしてラウンジ・食堂階の天井を1枚スラブ直仕上とし、外周の建具を天井高さ一杯に取り開放感を得ている。

また建物の中央に階段室を設けることで屋上からの自然光を確保している。

建物に浮遊感をもたせるために3階の宿泊部を張出している。

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ギャラリーで販売されている図面集には、

このようにも書かれています。



吉村順三は、「この設計は自然を損なわず、自然に溶け込み、国立公園としての品位を保つものでなければならない」と・・・。

海抜1000メートルを少し超えたこの九重連山の麓の大自然の点景になることを考えて設計したのである。

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九重山の家で学んだ点は、三つありました。

1.

内部空間を風景に開放するために

考えられた吊り構造。

2.

1階ラウンジの内部空間を風景に開放するために

考えられた開口部の納まり。

3.

地階ホールの片持ち階段の意匠。

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地階ホールの階段の意匠。
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1階ラウンジ。

正面奥の障子を

段窓としているのが印象的です。

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地階平面図

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1階平面図

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2階平面図

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構造軸組図。

屋上階の梁で2階床を吊る構造。

屋上階の梁は、

中央部で450×1400の断面寸法。

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ラウンジの開口部詳細。



吉村ギャラリーは、

模型も図面パネルも写真パネルも撮影可能です。

今までの吉村ギャラリーの記事は全て、

ギャラリーで撮影した写真を掲載しています。


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by y-hikage | 2016-06-24 15:01 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)