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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

hikagesun.exblog.jp

カテゴリ:日影アトリエの本棚( 95 )

島唐辛子をいただきました。

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大町の家の敷地で育っていた

島唐辛子が赤くなっていました。

誰も食べないというのでいただいてきました。

辛い料理が大好物なので

うれしいいただきもの・・・。


( おいしいタイ料理が食べたい )


島唐辛子は、激辛です。

しかも美味しい辛さ。

長さ3㎜ぐらいに刻んで

カップスープに入れても、

十分すぎる辛さ効果を発揮します。


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黒い種はアサガオのたね。

たねの隣の小さな島唐辛子を

スープに入れたら、

おそらく辛くて食べれないかもしれません。

見た目の色も日本的な赤で好きな色です。




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by y-hikage | 2018-01-18 11:25 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

庄司紗矢香の読書日記

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本を選ぶきっかけは、

新聞の書評によることが多い。

日本経済新聞夕刊に

ヴァイオリニストの

庄司沙也加が

書評を連載していることを知り、

逗子の図書館でコピーをして読む。

庄司沙也加は、

最も好きなヴァイオリニスト。

連載は四回だけだったが、

興味深く彼女の文章を読んだ。

庄司沙也加が選んだ四冊は、


スティル・ライフ:池澤夏樹著。

地下室の手記:ドストエフスキー。

源氏物語入門:ドナルド・キーン監修。

ソロモンの歌・一本の木:吉田秀和著


初回の

スティル・ライフ(池澤夏樹著)

については、

このような文章を綴っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・


バックには必ず本を入れていて、電車に乗ったら開く。夢中になって改札を出て歩きながら読み続けてしまうこともある。私にとって読書は食事と同じ。脳みそが栄養を吸収する時間なのだ。

数年前、作曲家の細川俊夫さんに薦められて、池澤夏樹さんの小説を手に取った。独特な世界観に興味をそそられ、立て続けに読んだ。なかでも忘れられないのが「スティル・ライフ」。山の写真を撮るのが趣味の男性が、大きく広げたシーツにプロジェクターで次々と写真を写し出し、主人公に見せるシーンがある。

「ただの山の写真だ。だから見方にちょっとこつがある」と男性はささやく。「なるべくものを考えない。意味を追ってはいけない」

すごくわかる気がした。なんだか演奏するときの心境に似ている。

演奏会に向けて音楽家は何百時間も練習を重ねる。作品の歴史はもちろん、ありとあらゆることを勉強し尽くす。そのうえで実際に観客の前に立ったら、一旦、リセットする。なぜなら、音楽はすべて意味を説明できるものでないから。説明できないものを表現するところに神髄がある。本番でどこまで無心になれるかが勝負なのだ。

小説の中で主人公は次第にこつをつかみ、「自分の意識を消すことがうまく」なり、「ぼくの全体が風景を見てとる目に還元された」という境地に至る。私も、私の全体を音楽を聴く耳に還元したい。そう思いながら舞台に立っている。


・・・・・・・・・・・・・・・


そして4回目の

ソロモンの歌・一本の木(吉田秀和著)

については、

このような文章で綴っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・


前略

中でもニューヨーク近代美術館で見たクレーの絵が忘れられない。

どこまでも広がっていくような、軽やかな色彩と線の連なり、一目見た瞬間、とらえられて動けなくなった。気づいたときは涙があふれていた。自分でも驚いた。こんな風に感動を与えてくれる美術というものを心から愛している。そして同じように、音楽も、本当に愛している。

音楽評論家の大家、吉田秀和さんの「ソロモンの歌・一本の木」に魅力を感じたのは、時代もジャンルも超えて好きなものを蓄えていく柔軟さに共感したからだ。

中略

あらゆる話題が独自の視点で明快に論じられる。

「クレーは音楽的だといわれているが、そういうことは、曖昧な言い方にしかきこえない」。そう言い切って、画家の描く線を同時代の無調音楽の構造と比較しながら分析していく手並みの鮮やかなこと。

後略


・・・・・・・・・・・・・・・・



日本経済新聞夕刊

20171019日・119

読書日記より引用


・・・・・・・・・・・・・・・・


庄司紗矢香の文章の中で特に共鳴した箇所は、

この部分・・・・


「 なるべくものを考えない。

意味を追ってはいけない 」

すごくわかる気がした。

なんだか演奏するときの心境に似ている。

演奏会に向けて音楽家は

何百時間も練習を重ねる。

作品の歴史はもちろん、

ありとあらゆることを勉強し尽くす。

そのうえで実際に観客の前に立ったら、

一旦、リセットする。

なぜなら、音楽は

すべて意味を説明できるものでないから。

説明できないものを

表現するところに神髄がある。

本番でどこまで無心になれるかが勝負なのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


どこか建築の設計に似ていると思った。

建築の着工にむけて、

数えきれないほど、家族と会話を重ね、

スケッチを重ねていく。

そしてある瞬間、

すぅーと厚い壁から抜けたように、

全体が調和するときが訪れる。


・・・・・・・・・・・・・・・・


4冊の本の中で、

「ソロモンの歌・一本の木」に

興味をもった。

僕の専門外である音楽を、

なにひとつ言葉や文章で表現できない。

そのもどかしさをいつも感じている。

だから

どんな本なのかとても興味がある。


時代もジャンルも超えて

好きなものを蓄えていく柔軟さを

この本を読むことで養いたいのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・


Sayaka Shoji and Dmitry Vasiliev in Omsk(1)





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by y-hikage | 2017-12-03 08:46 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

小川糸さんのサイン会

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鎌倉を舞台にした小説

「 ツバキ文具店 」の

続編の「 キラキラ共和国 」の

発売記念のイベントがありました。

そのイベントは、

1115日の夕方、

作家の小川糸さんのトークショーとサイン会です。

場所は鎌倉の由比ガ浜公会堂。

作家さんのサイン会は

今まで行ったことがありませんでしたが、

場所が鎌倉ということもあり近場なので、

行ってみることにしました。

トークショーは、

作家の「小川糸さん」と

挿画の「しゅんしゅんさん」と

手紙肉筆の「萱谷恵子さん」の

三人でおこなわれました。

小川糸さんは、

ツバキ文具店の

主人公・雨宮鳩子そのもののようで、

とてもチャーミングな人でした。

サイン会のサイン対象は

「 キラキラ共和国 」の書籍のみ

と書かれていましたが、

僕はずうずうしくも、

小川糸さんの四種類の作品を持参しました。

ひとつは今回発売の「キラキラ共和国」、

ふたつめは「 ツバキ文具店 」、

みっつめは「 食堂かたつむり 」、

よっつめは「 日曜日ですよ! 」。

この中の「 日曜日ですよ! 」は、

現在連載中の毎日新聞の日曜版の

連載エッセイのスクラップ集です。

サインの順番がまわってきて、

それぞれの作品を小川糸さんに渡したら、

こころよくサインをしてくれました。

「 日曜日ですよ! 」のスクラップ集を

見た小川糸さんはとても驚かれて、

小さい顔を赤らめたのが印象に残りました。

サイン会の終わりに

挿画の「しゅんしゅんさん」の

絵はがきをいただきました。

この日は、すばらしい一日となりました・・・。



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後日、

小川糸さんのブログを見てみたら、

鎌倉でのサイン会のことが

書かれていました。

その中に、

こんな文章がかかれていました。


・・・・・・・・・・・・・・


そうそう、サイン会の時、「毎日新聞の『日曜日ですよ!』読んでます」という方がたくさんいらしてびっくりした。毎日新聞の日曜版に毎週書いているエッセイ。中には毎号欠かさずカラーコピーをとって(得地直美さんの絵がまたいい味を醸し出しているのです)ファイルにまとめてくださっている方もいて、嬉しいやら恥ずかしいやら。新聞はなかなか読者の方と直接お会いする機会がないので、ありがた出来事だった。

追伸:二子玉川のサイン会の時に質問があり、その場できちんと思い出せなかったラトビアの十得、こちらになります。私の言葉で、さらに柔らかくしています。


「ラトビアに伝わる十の心得」

正しい心で、

隣の人と仲良くしながら、

誰かのために、

まじめに楽しく働いて、

分をわきまえ、

清らかに、美しく、

感謝の気持ちを忘れずに、

ほがらかに、すこやかに、

気前よく、

相手の心に寄り添いながら。


(私はこれを、お手洗いの壁に貼っております。)


・・・・小川糸さんのブログより引用・・・・


・・・・・・・・・・・・・・


そうです!

このブログに登場する

毎号欠かさずカラーコピーを

とってファイルに

まとめてくださっている方・・・

とは僕のことです・・・・。

ただ一点ちがうのは、

カラーコピーではなく、

新聞の原図を紙に貼って、

スクラップにしているのです(笑)。



小川糸さんのブログはこちら⇒

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by y-hikage | 2017-11-29 13:51 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

住宅医スクールを受講しました。

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昨日、住宅医スクールを受講しました。

講義テーマは、「温熱環境の改善と対策」

午前1045分から

午後4時半までの通しの講義です。

昨年も同じ講義を受けましたが、

住宅の温熱環境は、

新築でも改修においても

重要な設計テーマです。

理解を深めるために

今年も受講することにしました。

毎日が勉強です・・・。


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ところで

一昨日の1115日の夕方、

作家の小川糸さんの

サイン会とトークショーが

鎌倉の由比ガ浜会館でありました。

この種は、サイン会の前に入った

ラーメン屋さんでいただいた蕎麦の種です。

製図室の植木鉢で

育ててみようと思います。

すずめウリは、

RUNのコースで拾ったもの・・・。

製図室の植木鉢で

育ててみようと思います。


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by y-hikage | 2017-11-17 13:05 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

チョコレート

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今日は、東京都内で

午前9時からの打合せがあって、

午前中のうちに製図室にもどりました。

打合せの帰り、

建主さんから

チョコレートとクッキーをいただきました。

しかも GODIVA のチョコとクッキー・・・。

若いころは甘いもの全般が苦手でしたが、

いつだったか急に

チョコレートが好きになりました。

さっそくコーヒーをいれて食べました・・・。



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by y-hikage | 2017-11-15 12:24 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

製図室に植物をかざりました。

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RUNのコース沿いの山道でみつけた植物を

製図室に飾りました。

野草を飾ったのは

四カ月ぶりぐらいになります。

オレンジ色の実は、冬サンゴ。

冬サンゴのだいだい色は好きな色です。

最盛期の冬サンゴはもう少し濃い色です。

赤く小さな実の名前はわかりません。


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by y-hikage | 2017-11-04 11:15 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

鎌倉の建築士・仕事展に参加しました。

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先週の1027日から

昨日の1029日の三日間の間、

開催された「鎌倉の建築士・仕事展2017年」に

参加させていただきました。

主催の神奈川県建築士事務所協会鎌倉支部から

展覧会に参加してみませんか・・・

という連絡があり、

せっかくなので参加することにしました。

場所は鎌倉駅の近くの、

「鎌倉生涯学習センター・きらら鎌倉」でした。


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展示したのは、パネルと模型と作品ファイル。

そしてご自由にお持ちください・・・

のポストカードです。


〇 〇 〇 〇 〇 〇


展示した住宅は、

主に鎌倉・葉山周辺で建築した住宅です。

それらに加えて

最近完成した

「 稲田堤の家 」

「 みたかの家 」

そしてまた最近の完成ではありませんが

「 循環の家 」も

作品ファイルに加えてみました。

展示のコンセプトは

「 住み継ぐ家 」と

「 住み継げる家 」にしました。

展示パネルは、

この二つの言葉を

右上から左下に落ちる対角線を境界として

左上のゾーンを

「 住み継ぐ家( TRADITIONAL ) 」

右下のゾーンを

「 住み継げる家( BASIC ) 」

に住宅を配置してみました。


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作品パネルのイメージスケッチ。

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この展覧会のために作ったポスター

「住み継ぐ家」編

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この展覧会のために作ったポスター

「住み継げる家」編

この2枚のポスターは使用する場所がなく、

結局、作品ファイルの

表表紙と裏表紙に張りました。

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「 ご自由にお持ちください 」の

ポストカードのデザイン。

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模型とポストカードと

ファイルが置かれています。

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模型は「稲田堤の家」の外観模型と軸組模型。

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展示会場の全景。

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28日の夕方、

パネルがずれ落ちていなかを

点検するために展示会場にいきました。

日影アトリエのファイルを

長い時間、

食い入るように見ていた人がいました。

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作品ファイルの表表紙。

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作品ファイルの裏表紙。

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作品ファイルに入れた写真の全ページを、

日影良孝建築アトリエの

フェイスブックページで公開しています。


日影良孝建築アトリエ・Facebookページ

https://www.facebook.com/pg/HikageYoshitaka/photos/?tab=album&album_id=1163925737041486







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by y-hikage | 2017-10-30 13:18 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

ちりめん山椒をいただきました。

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ご近所の「北鎌倉の家」の建て主さんから、

手作りのちりめん山椒をいただきました。

ちりめん山椒をいただいたのは

今年で二度目です。

大好物のちりめん山椒・・・。

とくに「北鎌倉の家」の

建て主さんがつくる

ちりめん山椒はとても美味しいです・・・。

昼の弁当にちりめん山椒をかけて

食べようと思います。

いつもの昼の弁当は、

自分で作った混ぜご飯だけの

簡素な弁当です・・・。






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by y-hikage | 2017-10-26 12:15 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

「 住宅医 」に認定されました。

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このたび「一般社団法人 住宅医協会」から

「 住宅医 」として認定されました。

「 一般社団法人 住宅医協会 」と

「 住宅医 」について

知らない人がいるかもしれないので、

住宅医協会の資料の中に書かれている

「住宅医協会の設立趣旨」と

「住宅医の必要性」に関する文章を読んでみます。


※ ※ ※ ※ ※


〇住宅医協会の設立趣旨


高度経済成長期から循環型社会への転換期である今、住宅においては法律の施行やリフォームが最重点と位置付けられた国の政策など、スクラップアンドビルドによる大量生産から良質なストックの形成へ、という流れに移行しています。

建築のプロはこのような社会の要請に答えられる職能を早急に習得する必要があります。一般社団法人住宅医協会では、その前身団体「住宅医ネットワーク」において、人材育成と調査診断の技術開発に早くから取り組んで参りました。

一方中古住宅の流通の活性化やリノベーションが一般的に認知されるようになりましたが、それに伴う見かけだけの改築・リフォームが溢れることに危惧を抱き、かかりつけの医者のように、患者(=既存住宅及びその施主)の状態をきちんと把握して対処できる人材の育成とその活動の後押しが、適切な既存住宅の改修に必要であることから、「一般社団法人住宅医協会」として法人化し、より組織的に、全国的に支援していくことと致しました。


〇住宅医の必要性


今、既存住宅の現状を把握する調査診断技術を身につけ、さらに改修施工技術に優れた「住宅医」の存在が注目されています。

既存住宅を新築住宅に近い性能に向上させるためには高い知識と技術そして実践力が必要です。

住宅医協会では、このような人材を育成するために、2009年より「住宅医スクール」を開校しています。住宅医スクールでは、英国で学問体系として歴史ある「建築病理学」に基づき、住宅医の育成に努めています。

さらに住宅医協会では、単に知識だけではなく、分析力、技術力、実践力が備わっていると認定した住宅医スクール修了生を「住宅医」として認定しています。

このような住宅医による調査診断・改修が広まり、住宅医が地域で活躍すれば、歴史ある街並みや情緒ある古家がむやみに壊されることなく、設計者が生む不適切な改修工事で、被害をこうむる住まい手も少なくなるでしょう。

すなわち「治す力」を備えた「住宅医」こそ、今、求められている人材なのです。


※ ※ ※ ※ ※


上の文章をあらためて読んでみると、

これからの建築設計のありかたが

問われているようで、

身が引き締まります。

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今回「 住宅医 」として

認定していただいたので、

更なる技術の向上をめざして、

勉強を重ねていかなくてはならない

という思いが強くなっています。

頑張らなくては・・・・。


住宅医協会のHP内・各地の住宅医

http://sapj.or.jp/inspect/members/




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by y-hikage | 2017-10-19 11:26 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)

「住宅医スクール2017」で講義を受け持ちました。

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先月の914日、

「住宅医スクール2017東京」で

第四講義の講師を受け持ちました。

昨年の住宅医スクール2017東京では、

受講生として

6月から2月までの8か月間受講し、

欠席をせずに終了証をいただいた身分です。

その受講生が

今年の「住宅医スクール2017東京」で

講師を努めるなど考えてもみませんでした。

大勢の人前で話すことなど

最も苦手とする僕など、

建築を専門とする建築技術者に

建築について講義をするなどできるわけはないと、

断ろうと思いましたが、

建築家の三澤文子先生からの

直々の依頼であったので

お断りすることはできませんでした。


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講義のテーマは、

「 再生して住み継ぐ家 」

設計の仕事を自立した

26歳から現在にいたるまで、

再生した(改修した)設計実例を

説明するかたちで、

1時間半の講義をすることにしました。



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講義資料は、


この講義のためにあらためて

作成したのですが、

最初の項目として使用したのは、

1991年に作った「 住み継ぎBOOK 」にしました。

今回ひさしぶりに

この「 住み継ぎBOOK 」を読んでみて、

その内容にとても感心しました。

「 住み継ぎBOOK 」は、

当時、20代の若者を中心とした、

研究者、学生、文学者、主婦、建築設計者・・・

などが集まった「住み継ぎネットワーク」の

メンバーが編集した、

A4版・14頁の薄い冊子です。

( 「 住み継ぎ 」という言葉は、

この若いネットワークの集団が生み出した言葉です

ブログ:日日日影新聞にリンクあります )

僕も原稿を数ページ担当しましたが、

加藤雅久氏(現在:居住技術研究所)の

原稿の内容が26年前に書かれたにもかかわらず、

現在最も必要とされている

建築や生活の技術論を語っていたのには驚きました。


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「 住み継ぎBOOK 」では、

はじめのページで5つの柱を立てます。


1・手放す人と欲しい人の出会う場所を

考えていきたい。

2・家を建てる技術を考えていきたい。

3・素材として木を考えていきたい。

4・住む行為の広がりを考えていきたい。

5・住むことの経済学を考えていきたい。


次に加藤雅久氏のページに移ります。


加藤雅久氏のページのタイトルは

「 住み継ぎ経済学のすすめ

(省資源時代、地球の住み継ぎ方を考える) 」


加藤氏の原稿を引用してみます。

(かなり長文・・・)


※※※※※※※    ※


省エントロピー社会再び


エントロピーという言葉がある。もともとは物理学用語で、拡散の程度を表す物理量である。エントロピーは直接見えるわけではないが、われわれはそれを廃棄物や廃熱という形で確認することができる。

エントロピーは増大するが減少はしない(熱力学第2法則)。また増大に限界があり、そこに達するとあらゆる活動は止まる(熱的死)。地上の生物は物のエントロピーを出さないように循環しながら全体として熱エントロピー(廃熱)を出し、地球はそれを宇宙に追い出す(放熱)ことによって、内部がエントロピーで満たされるのを防いでいる。ダムで例えていうなら、放流して発電した電力で再び水を汲み上げているようなものである。

われわれ人間社会も、近代以前は生物循環を前提とし、「山を背に、田畑を前に、人家在り」というような暮らしだったが、工業技術の導入と発展により、大量生産・大量消費を繰り返し、ついに地球規模での環境バランスを揺るがすまでになった。これはダムを一斉放流しつづけるようなもので、宇宙が熱的死に向かって崩壊するよりもはるかに速いスピードで、エントロピー増大の限界を迎えることになる。あと数年で、確実に。


商品化住宅が20年を待たずして建て替えられ、解体される度に、そのほとんどがゴミとなることをご存じだろうか。それでなくても、飽和状態の産業廃棄物の3分の1は、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返す建設廃材なのである。もはや生産→消費→廃棄という一方的な流通を続けることは不可能なのだが、ただ単に一つのものを大切にし、限られた枠の中で生活するとしたら、地球規模での経済の崩壊と社会不安に陥るだろう。それよりも、再資源化を含めた循環型の流通システムで経済を維持していくために、モノそのものが最初に持っていた価値をいかに越えて利用していけるかという判断を、自ら働かせるべきである。そうして少しでもエントロピーの増大を節約するように、意識を変えていかねばなるまい。

例えば、住居。古い民家を再生して住み継ぐ。住み継ぐ人と時代に合わせて再生され、性能は変化し、住まい方も多様化する。住居は、住み継ぐことによって、モノとして最初にもっていた価値を越えて生き続けることのできる能力があることを、心に留めておいて欲しい。


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時代と住居の表のなかで、


これからの世界観は「エコロジー」であり、

これからの社会構造は「省エントロピー」であり、

これからの経済構造は「地球環境型経済」であり、

これからの住居のあり方は「住み継ぎ」である。


と語っています。




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また住み継ぎのフローチャートを
以下のように提案しています。

1・気に入った住居を見つけ出すこと。

2・先住者との対話の中で、
  住居や外部環境とのつきあい方
 (先住者の居住サポートシステム)を学ぶ。

3・住居と自分との対話の中で、
  自分なりの住まい方を考える。

4・住居は必要に応じて移築・修理・改装する。

5・再生した住居の維持管理の方法など、
  新たな住まい方のためのマニュアルを考える。

6・再生した住居や外部環境とのつきあいを深める。

7・住居とのつきあいの中で
発見したことがらをもとに、
  必要の応じて改修や修理をしたり、
  住まい方のマニュアルを変えていく。

8・人間、住居、環境を結ぶ、
  新しい居住サポートシステムがつくられていく。


※※※※※※    ※


以上が、加藤雅久氏のページの内容です。

「住み継ぎBOOK」が発行されたのは、

ちょうど僕の処女作「鎌倉の大屋根」が

完成してから2年後のことでした。

それから26年がたちますが、

基本的な設計思想に

変化がないように思います。




※※※※※※    ※


9月14日の「住宅医スクール2017東京」では、

140枚弱のパワーポイントの

スライドページを作成しました。

この原稿を日影良孝建築アトリエの

フェイスブックページで公開します。

もしご興味がありましたらご覧ください。


日影良孝建築アトリエ・Facebookページ

https://www.facebook.com/HikageYoshitaka/





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by y-hikage | 2017-10-12 08:05 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)