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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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カテゴリ:浄音寺( 11 )

「淨音寺」の落成慶讃・第四世住職継職奉告・宗祖追報恩講 法要に参詣させていただきました。

先日の11月22日(日曜日)、新宿の浄土真宗本願寺派 高龍山「淨音寺」の落成慶讃・第四世住職継職奉告・宗祖追報恩講の法要に参詣させていただきました。
淨音寺は西新宿の再開発のために当来の場所から若干移動して今年の四月に本堂・庫裏・納骨堂が新しく完成しました。
この中の本堂の意匠設計を日影アトリエが施工担当の直井建築工房の直井さんを通じて担当することになりました。
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親鸞聖人が宗祖の浄土真宗寺院の本堂の設計を担当することはとても名誉なことでした。設計条件は先代の強い思いである総ヒノキの折り上げ格天井とすることでした。
ただ設計を着手した時は鉄筋コンクリート造に入るゆえに天井の高さの確保が難しく、寺院建築の設計でとても大切な木割に思い悩みました。
何かの手掛かりを見つけるために歴史的な寺院から近年までの事例を調べあげ、最も参考になる建築は銀閣寺の東求堂の仏間ではないかということに自分なりにたどり着きました。
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内陣は外陣に対して格を上げるために、東求堂の仏間を模して折り上げ小組格天井とし、外陣はヒノキ一枚板の折り上げ格天井としています。
総ヒノキという特徴を生かし、的確な寸法の調和で、重すぎるでもなく軽すぎるでもない透き通った清らかな空間にできないかと考えました。
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ただ図面だけで建築ができるはずはありません。直井さんの材料集めの苦労(木に対する情熱)。棟梁をはじめとする職人集団の高い技術が集結して無事完成することができたのだと思います。
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そして何よりも、直井さんをはじめとする私たちの作り手の意欲は、住職とご家族のつきない優しさがあって湧き出てきたものでした。
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設計を担当させて頂いただけでもとても名誉なことでした。
さらにこの度の法要に参詣させていただいたことは二重の慶びとなりました。
さらに感謝状までいただき三重の慶び。
さっそく岩手の実家の両親に報告しなければ!
本当にありがとうございました。
by y-hikage | 2011-11-22 15:43 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺が完成いたしました。

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エコロジーライフ花 直井建築工房の直井さんからの依頼で設計をおこなってきた浄土真宗寺院本堂「浄音寺」が完成しました。手前の外陣とその奥の内陣の仕切りである巻障子が入りました。
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巻障子を開け内陣を見ます。
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内陣中央の宮殿には、まだ阿弥陀仏様は入っておられません。右脇檀は宗祖御影を安置する厨子です。
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本堂全景。総ヒノキ造りの清らかな空間です。控室との仕切りの建具も入りました。
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直井さんから浄音寺本堂の設計を依頼された時は、果たして、直井さんの要望に応えることができるのだろうかと不安に思いましたが、今、こうして完成した本堂を見ると、大変うれしく、そして設計をさせて頂いたことを光栄に思います。
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そしてやはり感心することは、直井建築工房の木工事の技術レベルの高さです。感謝の気持ちでいっぱいです。
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内陣を見ます。きらびやかな金色とヒノキの肌の色が呼応し、美しい空間です。阿弥陀様が入られたときにもう一度、浄音寺に行ってみようと思います。
by y-hikage | 2011-04-20 19:03 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(9)

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浄土真宗寺院本堂の工事は内陣も脇棚の建具を残し完了しました。節が無い白木のヒノキと白い漆喰塗りの壁によって、清らかな本堂がうまれました。
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古代からヒノキは住む者・造る者から信仰され愛されてきました。皮膚感覚の清らかさ、加工性の良さ、耐久性など、時間を超越して美しさを保ちます。相対する杉は時間や風雪に馴染みながら美しく枯れていきます。その杉の「真・行・草」の「草」の風合いは、おそらく日本の美しさの典型だと思います。一方でヒノキの「永遠なる清らかさ」も日本の時間感覚の基礎としてなくてはならい存在なのだろうと、今回の浄土真宗本堂の設計で改めて思いました。
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社寺には好んでケヤキが使われます。その理由は、古い農家の大黒柱などと同様に、貴重であるケヤキを使用することによっての象徴性を表現しようする理由なのかもしれません。
内陣の床はケヤキとしています。特筆すべきは8000㎜の長尺のケヤキを内陣と外陣の仕切りの框に使用していることです。直井さんの苦労が伝わってきます。
清らかなヒノキと意思の強いケヤキ。
本物の木には生命が宿っています。本堂の中に居るとそのエネルギーが伝わってきます。
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職人の手によって、無垢な素材で、簡素で、清らかな本堂の完成が間近です。
by y-hikage | 2011-03-20 17:40 | 浄音寺 | Comments(1)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(8)

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浄土真宗寺院本堂の工事は、建具を残すだけになりました。欄間が入った仕切りの一段上がった向こうを「内陣」と呼び、手前を「外陣」と言います。その仕切りに巻障子(まきしょうじ)と呼ばれる折り戸が設けられます。その巻障子や内陣の仏具は、東京都府中市の「みす平飛天堂(みすへいひてんどう)」という仏具専門会社の前田さんが準備を進めています。
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外陣の東側展開。漆喰塗りの壁が塗られ、床に自然石が張られました。
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天井には、照明器具が吊るされました。照度が高い単管蛍光灯をヒノキの格子で囲う意匠としています。
by y-hikage | 2011-03-20 16:24 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(7)

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以前にもお伝えいたしましたが、浄土真宗寺院本堂を設計するにあたり、様々な寺の資料を探しました。浄土真宗寺院で代表的な寺院はいうまでもなく、西本願寺ですが規模が大きすぎて参考になりません。その他の一般的な寺院でも規模が小さい(天井が低い)事例を見つけることができませんでした。
建築は、社寺に限らず、空間のボリュームで柱や化粧材の寸法を変える必要があります。この寸法の決定を「木割り」といいますが、ちょうどいい寸法を見つけることは熟練した大工でも間違うことさえあります。
今回設計する本堂は、幅6700㎜・奥行き9000㎜・高さ3400㎜(梁下)のコンクリートの中に入ります。特に天井の高さに制限があり折上げ格天井にした場合の寸法のバランスに苦しみました。
過去の建築を思い浮かべた挙句にたどり着いたのは、京都の慈照寺(銀閣寺)東求堂と北鎌倉の円覚寺舎利殿でした。共に小さなお堂で、折上げ格天井の寸法、柱の太さの決定の参考にしました(共に実物の内部を見学したことのある建物です)。
写真は慈照寺東求堂仏間の内部空間です(不滅の建築8:毎日新聞から引用)。
今回の設計では、この仏間の折上げ天井と同じ寸法で造られています。この仏間の天井の裏板はサワラ材に胡粉を塗って白くしてありますが、今回は白木の総ヒノキで造られました
by y-hikage | 2011-03-20 15:54 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(6)

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3月5日から10日まで長期出張に出かけ11日に東北で大地震。その間にも浄土真宗寺院本堂の工事は進んでおり、今回の工事の報告は、出張前のものなので少しばかり古い報告です。直井さんから聞くところによると、内部の木工事が完成し、床の石張りも完了とのこと。内壁の漆喰塗りも終わり、建具工事の完了を待つばかりとのことです。
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内陣の丸柱と折上げ格天井。
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内陣の格天井は、子組格子を入れた繊細な意匠としています。
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外陣には換気扇を設けていますが、ヒノキの格子の中に換気扇を埋め込んでいます。丸い穴はスピーカー設置のため。
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大工さんと記念写真に納まる日影さん(左から二番目)。
前回、照明計画のことを説明させていただきましたが、天井に照明を設けない方法には、壁に照明を設置する方法があります。今回の設計でなぜ、天井からの照明をメインにしたかというと、外陣にお集まりになった方々が経典をお読みになる場合も多く、支障のない照度が必要でした。それには天井からの照明が一番効率が良く、何度か照度計算をおこなった結果の蛍光灯吊り下げの照明計画としております。
by y-hikage | 2011-03-17 14:48 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(5)

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浄土真宗寺院本堂の内部空間の検討ために模型を作成いたしました。
縮尺は1:50。模型製作の目的は照明計画のためです。
本堂の外陣の天井は折上げ格天井です。格縁の中の板はヒノキの無垢の一枚。直井さんが苦労して集めてきたヒノキの板です。そして大工さんたちの職人の技術の結晶である格天井。
この天井に埋め込み照明など設置することで、木と技術に傷をつけたくありませんでした。
考えたあげくに思いついたのは、蛍光灯を吊るすことでした。
その蛍光灯は木の格子の箱の中に隠され、光だけが床面に落ちると同時に格子から光が漏れるような工夫ができないかと考えました。
ただこの発想がはたして空間に調和するのかどうかを模型によって確認したかったのです。
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外陣と内陣の境には巻障子が設置されます。模型上でもその様子を確認いたしました。
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現在工事中の現場の風景です。模型のアングルと同じように見ています。
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天井を模型からはずして撮影いたしました。実物の五十分の一の大きさです。
by y-hikage | 2011-03-03 20:57 | 浄音寺 | Comments(2)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(4)

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今日の午後に浄土真宗寺院本堂の現場に行ってまいりました。
期待に満ちていた内陣の天井が完成しておりました。
想像を超えた感銘。
内陣の格天井は子組の格子で組まれた意匠として空間の格を上げております。
信仰心が呼び寄せた清らかな意匠、
職人さんの技術、材料の美しさ、寸法のバランス。
これらが、この場所で、
調和がとれた喜びを感じ、深い感銘を受けました。
by y-hikage | 2011-03-02 23:13 | 浄音寺 | Comments(0)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(3)

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浄土真宗寺院本堂の工事が進んでいます。内陣の柱が立てられ、折上げ格天井が組み上がりました。八寸の丸柱に大斗(だいと)がのり、枠肘木(わくひじき)の上に巻斗(まきと)が並び、天井長押が水平に走り、折上げ格天井がその上に組まれます。
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亀の尾と蛇骨子と裏板の取り付けが始まりました。
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やはり材料は、節の無いヒノキです。内陣の天井は、外陣よりも格をあげるために格縁の中はヒノキの一枚板ではなく、子組格子が組まれ、その上にヒノキの裏板が張られます。
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外陣の天井はほぼ完成です。仕上がりの美しさに感動している日影さん。
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格天井の中に張られた無垢のヒノキの一枚板。
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       圧巻です。
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折上げ格天井の裏板はヒノキの板を数ミリの薄さに削り曲げています。その裏側で光る工事用の照明の光が板を通して透けて見えます。
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直井さんや大工さんの技術のレベルの高さを熱く語る日影さんです。
by y-hikage | 2011-02-25 16:43 | 浄音寺 | Comments(2)

浄音寺・浄土真宗寺院本堂の設計(2)

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エコロジーライフ花 直井建築工房の直井さんからの依頼で、昨年から設計を進めてきた浄土真宗寺院本堂の工事が今年に入り本格的に始まりました。作業場での加工が完了し、現場で外陣の天井が組みあがりつつあります。
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折上げ天井の詳細。下の水平の部材である天井長押に亀の尾がのり、その間に蛇骨子の縦格子連続します。亀の尾の格縁が平天井の格縁に連続し、格天井が構成されます。この格天井の枡の中に無垢の一枚板のヒノキの板が張られます。
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格縁はおよそ500㎜の間隔。みごとな職人の技術です。
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その真正面の立面です。
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外陣と内陣の境の丸柱の組物。大斗(だいと)に枠肘木(わくひじき)がのり、巻斗(まきと)がのり、巻斗が天井長押を支える構成です。着々と工事は進んでいきます。
by y-hikage | 2011-02-19 15:28 | 浄音寺 | Comments(1)