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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

hikagesun.exblog.jp

「令」と「和」

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新しい元号が

「 令和(れいわ) 」に決まり、

新聞紙上では

この新しい元号についての記事が目立ちます。

僕は月日を

西暦で考えることがほとんどなので

元号にはあまり興味がありませんでした。

しかしここまで話題になっていると、

その言葉の意味を調べてみたくもなります。

製図室の机の前には必ず

文学博士・白川静が書いた

「 常用字解 」を置いてあります。

漢字を読むのも書くのも苦手なので、

困ったときはこの辞書を引きます。


それでは「令和」の

「令」と

「和」について

どのように書いているのか

常用字解を読んでみることにしました。

はたして常用字解で解説する二つの文字を

単純にくっつけていいのかどうか

わかりませんが、

なにかのヒントになるかもしれませんし、

混乱のもとになるかもしれません・・・。


U U U  U U U U  U U U

「令」と「和」_c0195909_16191071.jpg


「 令 」

象形。

深い儀礼用の帽子を被り(かぶり)、跪いて(ひざまずいて)神託(神のお告げ)を受ける人の形。

神の神託として与えられるものを令といい、「神のおつげ、おつげ」の意味となり、天子などの上位の人の「みことのり、いいつけ、いいつける」の意味となる。

甲骨文字・金文では令を命の意味に用いており、令が命のもとの字である。

令は神のお告げを受け、神意に従うことから、「よい、りっぱ」の意味となり、また使役の「しむ」の意味にも用いて、命と分けて使うようになった。


U U U  U U U U  U U U

「令」と「和」_c0195909_16190600.jpg


「 和 」

会意。

禾(か)と口とを組み合わせた形。

禾は軍門に立てる標識の木の形。

禾を並べた秝(れき)は軍門の形である。口は U (サイ)で、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形。

 U (サイ)をおいた軍門の前で誓約して講和する(戦争をやめ、平和な状態にもどす)ことを和といい、「やわらぐ、やわらげる、なごむ、なごやか」の意味となる。

「中庸、第一章」に「和なるものは、天下の達道なり」とあって、和は最高の徳行を示す語とされる。



U U U  U U U U  U U U

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注1:

和の解説の中の文字「サイ」の記号が

ワードに存在しませんのでUと表示しました。

注2:

常用字解の表紙に描かれた

Uの字の中に水平の線を描いた記号のようなものを

白川静はサイと呼び

「神に捧げる祝詞を収める箱」と解釈しました。

注3:

解説の冒頭に書かれた「象形」「会意」は

六書(りくしょ)の中の二つ。

六書は漢字の造字および運用の原理を

6種類に分類したもの。

すなわち、

象形・指事・形声・会意・転注・仮借のこと。

僕はこの六書の文字を見て

なんのことを示すのかわかりませんでした。


「 令和 」・・・

わかったようでわからないままですが、

解説の中の

「令」

神の神託として与えられるものを令といい、

「神のおつげ、おつげ」の意味・・・と、

「和」

口は U (サイ)で、

神への祈りの文である祝詞(のりと)を

入れる器の形・・・、

という二つの文章が気になりました。

そしてまた

日日日影新聞のこの記事で

元号の意味を勝手に解釈したことに

心苦しくもありました。


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by y-hikage | 2019-04-23 16:23 | 日影アトリエの本棚 | Comments(0)
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