新しい元号が
「 令和(れいわ) 」に決まり、
新聞紙上では
この新しい元号についての記事が目立ちます。
僕は月日を
西暦で考えることがほとんどなので
元号にはあまり興味がありませんでした。
しかしここまで話題になっていると、
その言葉の意味を調べてみたくもなります。
製図室の机の前には必ず
文学博士・白川静が書いた
「 常用字解 」を置いてあります。
漢字を読むのも書くのも苦手なので、
困ったときはこの辞書を引きます。
それでは「令和」の
「令」と
「和」について
どのように書いているのか
常用字解を読んでみることにしました。
はたして常用字解で解説する二つの文字を
単純にくっつけていいのかどうか
わかりませんが、
なにかのヒントになるかもしれませんし、
混乱のもとになるかもしれません・・・。
U U U U U U U U U U
「 令 」
象形。
深い儀礼用の帽子を被り(かぶり)、跪いて(ひざまずいて)神託(神のお告げ)を受ける人の形。
神の神託として与えられるものを令といい、「神のおつげ、おつげ」の意味となり、天子などの上位の人の「みことのり、いいつけ、いいつける」の意味となる。
甲骨文字・金文では令を命の意味に用いており、令が命のもとの字である。
令は神のお告げを受け、神意に従うことから、「よい、りっぱ」の意味となり、また使役の「しむ」の意味にも用いて、命と分けて使うようになった。
U U U U U U U U U U
「 和 」
会意。
禾(か)と口とを組み合わせた形。
禾は軍門に立てる標識の木の形。
禾を並べた秝(れき)は軍門の形である。口は U (サイ)で、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形。
U (サイ)をおいた軍門の前で誓約して講和する(戦争をやめ、平和な状態にもどす)ことを和といい、「やわらぐ、やわらげる、なごむ、なごやか」の意味となる。
「中庸、第一章」に「和なるものは、天下の達道なり」とあって、和は最高の徳行を示す語とされる。
U U U U U U U U U U
注1:
和の解説の中の文字「サイ」の記号が
ワードに存在しませんのでUと表示しました。
注2:
常用字解の表紙に描かれた
Uの字の中に水平の線を描いた記号のようなものを
白川静はサイと呼び
「神に捧げる祝詞を収める箱」と解釈しました。
注3:
解説の冒頭に書かれた「象形」「会意」は
六書(りくしょ)の中の二つ。
六書は漢字の造字および運用の原理を
6種類に分類したもの。
すなわち、
象形・指事・形声・会意・転注・仮借のこと。
僕はこの六書の文字を見て
なんのことを示すのかわかりませんでした。
「 令和 」・・・
わかったようでわからないままですが、
解説の中の
「令」
神の神託として与えられるものを令といい、
「神のおつげ、おつげ」の意味・・・と、
「和」
口は U (サイ)で、
神への祈りの文である祝詞(のりと)を
入れる器の形・・・、
という二つの文章が気になりました。
そしてまた
日日日影新聞のこの記事で
元号の意味を勝手に解釈したことに
心苦しくもありました。