9月23日の土曜日の午後、
神奈川県立音楽堂のコンサートに行きました。
オーケストラは
「 横浜みなととなみ管弦楽団 」
プログラムは、
イングランド関連で組まれていて、
1・アイアランド作曲:「ロンドン序曲」
2・フェンジ作曲:「チェロ協奏曲」
3・チェロ独奏アンコール:
バッハ作曲:「無伴奏チェロ組曲第3番・ブーレ」
4・エルガー作曲:「エニグマ」
5・アンコール:
F.ブリッジ作曲:「弦楽のための組曲・間奏曲」
演奏はどれも素晴らしく、
アマチュアオーケストラとは
とても思えないほど感動的な演奏でした・・・。
知っている作曲家は
バッハとエルガーだけだったので、
新鮮なコンサートでもありました。
二番目のチェロ協奏曲では、
森田啓佑さんがソリストとして
演奏したのですが、
20歳の若さとは思えない、
情緒あふれる深い音には驚きました。
さて神奈川県立音楽堂・図書館は、
建築界の巨匠・前川國男の設計で
1954年の建築です。
公立施設として日本で初めて
本格的な音楽専用ホールとして建築されました。
音楽ホールの音響に関しては
専門ではないのでよくわからないのですが、
個人的に経験したホールを比較すると、
かなり音がいいほうの部類に
入るのではないかと思います。
ほかに前川國男が設計したホールでは、
上野の東京文化会館(1961年)と
新宿の紀伊国屋ホール(1964年)は
行ったことがありますが、
東京文化会館の音は
トップクラスではないかと思います。
あくまでも個人的な感想ですが・・・
2階ホワイエに展示されていた
神奈川県立音楽堂・図書館の模型。
図書館の俯瞰。
音楽堂正面外観。
図書館の側面外観。
エントランスから見た音楽堂。
左手は青少年センター。
この施設一帯は
「紅葉ヶ丘文化ゾーン」と呼ばれており、
神奈川県立音楽堂・図書館、
青少年センター、
婦人会館、
青少年会館(現存せず)の
すべての設計が前川國男です。
ところが
この文化ゾーンで
どうしても残念な部分があります。
現在、音楽堂の前が駐車場になっていますが、
当初の設計では、
人々で賑わう広場として考えられていました。
現在は、駐車場となっているために、
美しい景観となるはずが、
車のほうが優先され、
歩くのにも不便を感じます。
現在の音楽堂正面。
いまから
10年前に行った時の音楽堂の夜景。
計算された原色の色彩。
音楽堂と図書館をつなぐブリッジ。
外壁に多用されている穴あきブロックは
「ホローブロック」とよばれています。
ホール全景。
ロンドンのロイヤルフェスティバルホールを
モデルとして設計され、
開館当時は「東洋一の響き」と
称賛されたそうです。
人工的に作られた音ではなく、
人間的で
アコースティックな音のように感じます。
ホール壁面がすべて木で作られていることから
「木のホール」とも呼ばれています。
ホワイエ全景。
天井が客席の段差なりに設計されています。
1階ホワイエを2階から見下ろす。
前川國男の事務所では、
床のデザインは
かなりの時間をかけて検討すると、
本で読んだことがあります。
登りやすい階段。
階段の一段目のかたちを考えるのが好きなので、
思わず見入ってしまいます。
※ ※ ※ ※
さてこの断面模型は、上野の東京文化会館。
素晴らしい音響です。
この上野のホールは、
主にクラシックバレーを観に行きました。
東京文化会館の大ホールのステージ。
紀伊国屋ホールが入る紀伊国屋書店。
紀伊国屋ホール・・・。
このホールは、
劇作家の井上ひさしさんの演劇を観に
何度となくかよいました。
小さいホールですが、
ステージが近く音の響きもいいと思いました。
ところで最近この本を読みました。
「前川さん、すべて自邸でやってたんですね」
(中田準一著・彰国社発行)
この本を読んでみて、
あらためて前川國男の作品を
見学してみたいと思いました・・・。