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日日日影新聞 (nichi nichi hikage shinbun)

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吉村ギャラリーで見たキャノピー

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7月のとある週末、

吉村順三記念ギャラリーに行きました。

テーマは「 目黒の家 K邸 」。

この住宅の写真を見ていて気になったのは、

車寄せのキャノピー(屋根)でした。

そのキャノピーの屋根が

ものすごく薄く見えたのです。

詳細図を見てみると、

四方に巾50㎜×高さ100㎜の鉄骨をまわし、

100㎜の厚さの屋根の中に

一定間隔で60㎜×60㎜の鉄骨を梁状に組み、

天井に板を張っています。

これだけで5m×3mのキャノピーを

支えることは物理的に不可能で、

屋根の上に二本の鉄骨(125㎜×65㎜)を

桁行方向に飛ばして、

屋根を吊る「 吊構造 」としています。

屋根の下面に梁を出さない

「 逆梁構造 」といってもいいでしょう。

そしてなんと驚くことに、逆梁を支持する

柱(75㎜×65㎜の鉄骨の角パイプ)が

家の反対側に立っているのですが、

その柱がキャノピーの内樋の

雨水を受けるタテトイが

内蔵されているのです。

キャノピーをいかに薄く見せるか、

キャノピーの天井を

いかにシンプルに見せるかということに

全力を注いでいる姿が図面から読み取れます。



勝手口のサービスヤードの

三角形の屋根も同様に

限りなく薄く見せようと努力しています。

屋根の厚みは

車寄せのキャノピーの寸法に近い120㎜です。

屋根勾配を設けると、

その分厚くなってくるので、

車寄せはカラービニロイドという

シート防水 ? を張り、

勝手口は、砂付きルーフィングを張っています。

その使い分けの理由はわかりません。



もうひとつ写真を見ていて

気になったことがありました。

外部の開口部のほとんどがアルミサッシです。

この住宅は1959年に竣工しています。

僕はアルミサッシの歴史に

詳しいわけではありませんが、

この年代で一般の住宅に

アルミサッシは使用できていたのか・・・?

不思議に思って

ギャラリーの人に聞いてみたら、

この住宅のオーナーは、

某アルミサッシメーカーの

社長の家とのこと・・・。

もしかしたらアルミサッシの

少ない事例の中で

試験的に多用したのかもしれません。

そんなことを思いながら

図面を読み込んでいくと、

浴室まわりの開口部の納まりなど

工夫している部分が見えてきます・・・。

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車寄せのキャノピー

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車寄せのキャノピーの詳細図

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車寄せのキャノピーの詳細図

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車寄せのキャノピーの詳細図

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勝手口のサービスヤード

三角形の屋根の詳細図

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勝手口のサービスヤード

三角形の屋根の詳細図

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勝手口のサービスヤード

板塀の詳細図

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アルミサッシを多用しているせいか

外観の表情が硬く見えます・・・。

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天井板と壁もしくは建具の板の目地が

みごとに一致しています。

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内部の階段・・・。

現在、大町の家で似たような

階段を設計しているので

気になる階段・・・。

( 大町の家の階段の部材寸法は

比較にならないぐらい大きいのですが・・・)

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段板に対してのカーペットの

納まりがわかる詳細図。

階段を背面から見たときに

カーペットの存在を消すディテール。

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矩計図

屋根勾配は一寸五分勾配

南側の軒の出は1200㎜(内樋込みの寸法)

他の軒の出は1000㎜(内樋込みの寸法)

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洗面室と浴室

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洗面室と浴室の詳細図

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洗面室と浴室の詳細図

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洗面室・浴室・便所などの詳細図。

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吉村ギャラリーの応接間・・・。

何度座ってもこの空間はホットします・・・。

体内にいるような感覚になります。

そして眠くなります・・・( 笑 )。

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by y-hikage | 2017-08-08 14:39 | 吉村順三ギャラリー | Comments(0)
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