とある5月の週末、
目白の吉村順三記念ギャラリーに行きました。
テーマは、第57回「九重山の家」
「九重山の家」の建築概要は、
ギャラリーのお知らせ葉書きに
わかりやすく要約されていますので、
そのまま引用してみます。
※
大分県の九重連山の麓に広がる大自然の中に1960年に建てられた温泉のある厚生施設。
地下1階・地上2階の建屋で、8本の柱で支えられた屋上階の梁から2階の床(500㎡余)を吊って2階床梁を極端に小さくし、
さらに2階床梁を逆梁にしてラウンジ・食堂階の天井を1枚スラブ直仕上とし、外周の建具を天井高さ一杯に取り開放感を得ている。
また建物の中央に階段室を設けることで屋上からの自然光を確保している。
建物に浮遊感をもたせるために3階の宿泊部を張出している。
ギャラリーで販売されている図面集には、
このようにも書かれています。
※
吉村順三は、「この設計は自然を損なわず、自然に溶け込み、国立公園としての品位を保つものでなければならない」と・・・。
海抜1000メートルを少し超えたこの九重連山の麓の大自然の点景になることを考えて設計したのである。
九重山の家で学んだ点は、三つありました。
1.
内部空間を風景に開放するために
考えられた吊り構造。
2.
1階ラウンジの内部空間を風景に開放するために
考えられた開口部の納まり。
3.
地階ホールの片持ち階段の意匠。
地階ホールの階段の意匠。
1階ラウンジ。
正面奥の障子を
段窓としているのが印象的です。
地階平面図
1階平面図
2階平面図
構造軸組図。
屋上階の梁で2階床を吊る構造。
屋上階の梁は、
中央部で450×1400の断面寸法。
ラウンジの開口部詳細。
※
吉村ギャラリーは、
模型も図面パネルも写真パネルも撮影可能です。
今までの吉村ギャラリーの記事は全て、
ギャラリーで撮影した写真を掲載しています。